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おつかい。
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プルルルルルッ
「はい」
ケータイが鳴って、それに出た。
相手は母さんだった。
「綾、ごめんね。テーブルに大切な資料置いてきたみたいなんだけど、店まで届けてくれない?和也くんと佐野くんいるでしょ?」
「佐野は家が片付いたから帰って、和也も帰したよ。俺ひとりでも届けられるから届けるよ、何時まで?」
「ひとりはだめ!!和也くん連れてきなさい!!」
電話越しの母さんの怒ったような声にビクッと体が跳ねた。
母さんがこんなに声を荒げてるの、初めて聞いたかもしれない。
「和也くんに電話するから、一緒に届けにきてちょうだい。時間は…悪いんだけど早めがいいわ」
「わかった…」
「ごめんね、頼むわ」
ピッと向こうから電話が切られる。
母さんは忙しい。
忙しい人だから、あんなに急いで話してたんだ。
しばらく呆然としているとインターホンが鳴る。
「綾都ーっ、麗華さんに聞いたんだけどー」
「うん、今行くから待って」
インターホンを切りテーブルの上にあるそれらしき封筒を手に待つ。
「これかな」
「よし、急いで届けてあげよう」
「…うん」
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