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母さんの店
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「ここ曲がった先だったよな?」
「うん。曲がった左手ね」
和也も何度か母さんの店に行ったことがあるから道順を覚えていたみたいだ。
少し小走りで、ふたりで母さんの店を目指す。
「おっ!綾くーん」
「あ、サクヤさん!」
店の前には、サクヤさんがいた。
サクヤさんは母さんが店を始めた時から一緒に働いてる人で、クラブの中でも人気を常に上位を占めてる人だ。
黒髪で髪の毛もワックスをするくらいの工夫だけで、こんなにカッコよくなるんだから凄いと思う。
「資料持ってきてくれたんだよね?」
「はいっ、これ」
「…うん。あってる。ありがとう」
「いえ、それでは」
サクヤさんに渡して、帰ろうと振り向くと、和也が数人のスーツ姿の男に囲まれてた。
「えっ」
「ちょ、なんですかあなたたち」
「ルカさん、タクトさん、ヒビキさん?」
三人はニッと笑ってこっちを向いた。
そして、和也を指して言う。
「綾くん、この子誰?」
「かなりいい線いってるよー」
「かっこいいよねぇー」
和也をジロジロと興味津々に見る三人も、サクヤさんの同僚。
ホストクラブの一員だ。
この人たちも上位にいる人たちで、創業してすぐくらいから一緒に働いてるらしい。
「俺の友達ですよ。たまに一緒に来てたことあるんですけど、覚えてませんか?」
「あー。いた気がする」
「綾くんの輝きで霞んでた子だよね」
「こんなに立派に大きくなるかぁ。日が経つのは早いなぁ」
口々に言いたい放題。
この人たちは本当に賑やかな人たちだ。
「というか、会議に行かなくていいんですか?」
「それはお偉方たちの会議。オレたちにはかんけーないよ」
「それよりもさ、君、オレたちの店で働いてみない?」
「「え??」」
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