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お仕事2
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タクトさんの仕切りでみんなペアを作った。
1組のお客様に1人のホストがついて、ペアが作れた。
俺と和也は、ふたりでひとりということで、さっきの常連のお客様とペアだ。
「このお店に関するクイズを出します!それを皆さん頑張って答えてくださいねー!
それでは第1問!」
お客さんたちみんな、笑顔で答えを書くグリップを握っている。
「ここ、Fate(ふぇいと)の名前の由来は?」
「そんなの当たり前に知ってるわっ」
「わかるわかるっ」
「あ、でも、どっちだっけな」
「わかりまーすっ」
一斉にグリップに書き始める皆さん。
俺たちとペアの、あきこさんを見ると、任せてと言わんばかりの笑顔で答えられる。
そういえば、俺って母さんのこの店の名前の意味とか知らないかも。
「書けましたかー?それでは一斉にオープン!」
グリップが次々と高く掲げられる。
全員一致して、グリップにはこう書かれてあった。
“ここで出会うことができたのは運命である”
という意味。
「せいかいっ!見事に全員正解です!!
この店Fateは、ここで出会えた人たち全てを大切にしたいという意味が込められています。
それでは第2問!
人気ナンバー7のヒビキが愛用している物があります。それはなんでしょう」
今度の問題には少し戸惑いのあるお客様もいるみたいだ。
ヒビキさん愛用って何かなー、毎回会うときは、クマの人形を持ってる気がするけど。
…あ、それかっ。
「それでは、オープン!」
お客様の答えはけっこうばらつきがあったけど、“クマの人形”がいちばん多かった。
「正解は、クマの人形でした!」
「この子は僕の友だちなんだよー、知ってたー?」
タクトさんの横からひょこっと現れるヒビキさんはとても可愛かった。
「さて!ここで初の罰ゲームを受ける者を発表します!」
タクトさんに、誰かがこそっと耳打ちをする。
「イツキ、ヒカル、フブキの3人だ!」
3人はお客様たちに謝られながら、前に出て行く。
「罰ゲームはなんと!姫たちが胸キュンしてしまうセリフだーっ」
お客様たちからは歓声が上がる。
胸キュン…っ、俺たちそんな恥ずかしいこと言えねーっ。
不安になり、あきこさんを見ると、ウインクして返された。
ひとりめはイツキさんらしい。
イツキさんとはそこまで話をしたことないかな。
少し照れながらも、ふっと息を吐いてマイクを握る。
「ごめんな。俺さ、お前以外の女に…興味なくなったみたい。だから、絶対に離さないからな」
ひょおおおおっと地響きのような音が、声が、湧き上がった。
胸キュンセリフ、恐るべし…。
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