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バイトおしまい。
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「綾!」
「か、母さん?!」
いきなり呼ぶ声がして、それは母さんだった。
お客さんたちに「失礼します」と声をかけてかき分け、俺の元にたどり着いてきた。
「な、なに」
「資料を持ってきてとは言ったけど、ホストとして働けなんて一言も言ってないわよ?!なにやってるの!!」
「あ、えと…っ」
「母さんはあんたに無理に働いて欲しいなんて思ってないの!辛い思いはしないで。なんで…なんで…っ」
ヒステリックを起こしてる母さんをなだめるように俺は母さんをぎゅっとした。
「母さん。俺別に強制されたんじゃないよ?やってみたくてやってたんだ。母さんが作ったこの店を知りたくて」
「…え?」
「母さんのこと、もっと知りたかったからだよ」
これは本心だ。
半ば無理矢理じみたところもあったけど、心の奥では母さんの店を知りたいというのが大きかった。
「麗華さん、俺たち職業体験してみたかっただけなんです。勝手なことしてごめんなさい」
「ごめんなさい」
「…そ、う。私こそごめんなさい。勘違いしてたみたいで」
俺たちは首を横に振って否定する。
母さんは反省したみたいに眉をひそめてる。
ぱちぱちぱち…
「え?」
パチパチパチパチッ
お客さんたちからなぜか拍手が送られてきた。
「素晴らしい!アヤトくんたちそんなに立派なこと考えてたなんて!」
「よくわからなかったけど、良いこと言ってたわよ!」
「ほんとに!頑張って!!」
こうして、俺たちのバイトは終了した。
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