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危険と鈴
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「銀さん、さっさと歩いて下さいよ」
「わってるっての」
運が悪かった
朝にあんなことになるとは思ってもみなくて、おまけに今日は夜勤
何時も以上に、足取りが重いことは
新八に少し変だと思われてることだって
わかってる
ーだが
傷は熱を持ち
身体中を這い回り
、的確にいたぶるようにしがみつき離れない
汗がしっとりと額に浮かぶのを感じ
一歩、また一歩と進み度に
、痛みはます
新八が何か言ってるが、耳にも入りゃしねぇ
適当なこといって休めばよかったか
「そういえば、山崎さんが今朝
明日にでも、病院に行くって
後、白い着流しに紙切れ入ってたから
ポケットに……」
「え、……あぁ」
「どうかしましたか?」
「いんや、別に」
「あぁ、それともう一つ
………あれ?なんだっけ?」
新八が声を上げつつ
考え込む仕草をしているのを尻目に
__シャン、シャン、シャン
妙な音が鼓膜に響き
何気なく薄暗いいりくんだ路を横目に見ると、妙なものをみた
明らかに不審な出で立ちで動くたびにシャンシャンと何かを鳴らしている男が辺りをキョロキョロと見回し、その路に入っていく所を
「ちょっ、銀さん何処にっ……?」
「静かにしろ」
その男をつけるようにして
ばれないようつけていく
進むと、密集して家が建ってること以外に変わった様子はなく
男にも、不審な様子はない
気のせいだったかと思い直し
路を戻ろうとしたとき
怪しげに光る銀色の何かを手に持ち
何かをジッと見つめている
男が見ているものを追いかけて見ると
「母さん、今日の晩御飯なーに?」
「今日はね、公の大好きなハンバーグよ」
「やったー、ハンバーグ!!」
仲睦まじく、今日の晩御飯のことを話し、手を繋ぐ親子が男の方へと歩いている
「今日は、なんだってんだ」
男がその親子の前に飛び出し
鋭い短刀を艶めかせる
女の子は、目の前でおこっている事が分からないようで、母親がその女の子を背中に隠すようにして、後ずさる
それを見た、女の子が母さんと
心配そうな声をあげる
男がナイフを振り上げた
母親が声をあげる
男は、狂気的な笑みを浮かべながら
ナイフを振り下ろす
母親は覚悟を決めたかのように
目をつむり、身体を震わせながらも
娘を守るように抱く
「ちょっと、すいませーん」
この場に似つかわしくない間延びした声をきき、母親は目をゆっくりと開ける
目の前には、銀髪の男が襲ってきた男の短刀の柄を握っている
「だ、誰だ!!」
「誰も何も通りすがりのただの警察だけど?ちょっと、職質いい?」
男は、警察と聞いた瞬間、充血している目を見開き
銀時を突き飛ばし、足早に駆け出して行った
「………いッ!」
その衝撃で地面に尻餅をついた銀時は腰を擦りながら、目の先に光るものが見えてそれを手にとる
「なんですか、それ?」
「さぁ?………鈴か?」
「あの、ありがとうございました」
母親は銀時に向かって
頭を深々とさげる
銀時は、鈴を懐にしまい
そちらを向く母親は少し
青ざめた様な表情をしているのに気がつき
少し不思議に思うが、あんなことがあった後だ、それにこんな風貌のよくわからねぇ男が現れりゃそうなるかと思い、踵を返す
「銀髪のお兄ちゃん」
「何だ?」
「これ」
女の子が
差し出してきたのはウサギの柄の入った可愛らしいばんそうこだった
「ほっぺた、血出てるよ、痛くない?」
そう言われ、頬を拭うと
闇夜で見えずらいが甲に血らしきものが残っていた
母親の表情の意味を理解した
女の子から、差し出される
絆創膏を受け取り
女の子の頭を軽く撫でる
「ありがとな」
女の子は、満足げに笑い
母親は何度もお礼を述べる
銀時たちは、来た路を戻っていたのだが
どうも路に迷った
「新八くん、帰り道分かる」
「いえ、全然」
「まじで」
「マジです」
………どうしよ
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