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疑いと通常
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「じゃあ、銀時。今日から、一般の業務も担ってもらう、よろしく頼むぞ」
「へいへい」
「じゃあ、トシ。後のことは頼んだ」
ったく、何で俺がこんなこと
そう思いつつも、近藤さんにああとだけ返事をし、坂田を見やる
「行くぞ」
「へいよ」
自室に戻り、ドンッと何重にも積み重なったファイルやノートをつき出す
この真選組の隊規や屯所の地図
業務内容と何から何まで記してある
「えーと、これは何ですか」
「見てのとおりだ、3日後までに覚えてこい」
「あ、そうだ。急にお腹が痛く。
あたたたた。ちょっと、厠に行って…」
「じゃあ、これも持っていけ」
「はい?」
「腹がいてぇんだろ?暫くは篭もるだろうから、厠で覚えてろ」
「副長さん、スパルタ過ぎじゃなーい?」
「そんなことねぇ。それにお前、『俺は俺なりにやる』って言ったよな?」
「言ったよ言ったけどね。今は、その時じゃないと思うな、銀さんは、うん。」
「何言ってやがる」
「今は、逃げるときだよ」
そう言うと、さっさと立ち上がり
庭の方を指差すとそこにはサドスティック星からきた、皇子が
坂田の言葉を理解した瞬間に
俺の部屋はチリとかした
「土方さん、お茶お持ちしました」
機会をみてかひょっこりと顔を出すのは
山崎だった、お茶を用意したらしくお盆の上には
お茶と茶菓子がのっていた
「あ?あぁ、悪いな」
「旦那もどうですか?」
聞いたような口調を発しながら
返答など関係ないようで
湯呑みを置くと
お盆を横に引き寄せる
「どうですか?捗ってますか」
「捗ってる、捗ってる」
「嘘、言うんじゃねぇ。お前、全然やる気の欠片もねぇじゃねぇか。つうか、あの本の束こんな短時間で読める訳ねぇだろ」
「まぁ、まぁ、落ち着けよ。副長さん
そんなピリピリしてたら、病気になるぜ」
「あ゛ぁ!?誰のせいでこんな事までしてると思ってんだ」
「ふ、副長落ち着いて下さい!!」
アイツに掴みかかりそうになるのを
山崎が間に入り、止める
「じゃあ、俺は腹へったんで
昼飯食べてきまーす」
その言動に青筋が浮かび
キレかかっていた直後
その場に不似合いな何処か訝しげな声が
聞こえる
「あれ」
「どうかしたのか、山崎」
「え、いや。何でも、ないです
そういえば、土方さん。旦那って病院行ったんですよね?」
「はぁ?俺が知るわけねぇだろそんなこと、第一お前が一緒に行ったんだろうが」
「いや、都合がつかなくて一人で行って貰ったんですけど」
「それが何だ?」
「いえ、何か急に思ったんで。土方さん、そういやぁ、奉行所から一つ上がってきてるんですけど」
「何だ」
山崎の言葉に眉間にしわを寄せて
懐から煙草を取り出し
火をつけ土方は山崎を見据える
「ストーカー殺傷事件聞いたことありませんか」
「なんだそれ、何でんなのが
こっちに上がってくんだ」
「それが、どうもその犯人、最初の被害者のストーカーだったらしいんですがね。それが終われば次々に別の女の人を切りつけるらしく、件数多いのもそうですが数名病院送りにされているとかで奉行所も手が回らないらしいです」
「はぁ?そんなことでこっちに仕事回してくんなっていっとけ。こっちだって忙しいんだ。最初の被害者のストーカーだったんなら身元も割れんだろ。」
「それが、その女、どうも聴取できるような状況ではなくて、それに夜間というのもあって犯人の身元も割れないらしく……。それに、どうも無関係とも言えないんですよね」
「どういう意味だ」
「その男、どうやら薬をやっているらしくて。裏の組織とも関係があるらしいんです」
「犯人の身元は割れてねぇんだろ?
何でそんなことわかるんだ」
「その犯人、鈴を持っているらしいんです。鈴の入れ墨をしたあの『怨鈴組』の仲間はその鈴を持っている。特別製の。しかも、その組織は……」
「攘夷浪士と繋がりがあると噂されている、か?」
「ただたんに、鈴をたまたま持っていただけかもしれないんですけど、調べて見る価値はあるかと。どうも、無関係とは思えません。」
土方は指に挟んでいた煙草を蒸かし
灰皿に押し付ける
「わかった。近藤さんには俺から話しておく」
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