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夜の兎と混乱
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「で?その子は誰なんだ?」
食堂での騒ぎを聞きつけ
近藤が銀時をその少女ともども局長室に呼び出し
質問するが、当の銀時は頭が回らないらしく
首をかくりかくりと揺らしていたと思えば
ハッと意識を覚醒させる
そして、その少女は隠れるように銀時の後ろに身を隠し、それでいて何処か冷めたような吟味するような視線を近藤、土方に向けている
「ん?……なに?」
「だから、その子は誰なんだ?」
「えーと……………さぁ?」
「さあって、まさか誘拐っ!!」
「んなわけねぇだろうが、現にこの餓鬼怯えたような態度もしてねぇし」
「じゃあ、一体。あぁ、そうか!迷子だなっ!!」
「いや、探しても意味なんかねぇだろうな」
「どういう意味だ?」
「分からねぇのか、この餓鬼の風貌見りゃわかる。あんたも一度くらい、聞いたことあんだろ。宇宙最強部族、夜兎。白い肌、尋常ならざる剛力、そして、その傘。最近、巷で噂になってる大食い娘ってのはお前だな。被害届も出てるぞ。」
土方の説明に納得出来ていないらしい
近藤に気遣って土方はもう一言つけ足す
「つまり、親はいたとしても遠くにいるってこった」
「銀ちゃん、アイツ、ロリコンアルヨ。キモイネ」
「うん、そうだね。瞳孔開きまくってる副長さんはロリコンだよ
あんま、近づくんじゃあねぇぞ」
「俺がロリコンなわけねぇだろうがっ!!
つうか、お前今まで半分寝てただろうが、何で急に饒舌に喋ってんだよ!!」
土方は片方の膝を立てて、身をのりだし
銀時を睨み付ける
「………………zzz 」
「あからさまな狸寝入りしてんじゃねぇよ!!!」
「あらら~ッ、土方さんロリコンだったんですかぃ?じゃあ、今度からはもっと若い子を呼んどきますんで、安心してくだせぇ」
戸の外から、面白そうな声色がしたかと思えば
襖がスッと開き、沖田が現れる
土方はその不名誉な言われように青筋を浮かべる
「なに勝手なこといってんだ!つうか、誤解を招くような事を言うのやめてくんない?!」
「銀ちゃん、アイツキモいアル。ロリコンの上に女の子をたぶらかす最低野郎ネ」
少女からの更に冷たい視線を浴びることになり
土方が怒り心頭になりそうなのを見計らってか
近藤はまぁ、まぁ、落ち着けと声をかける
その声を筆頭に
土方は身をのりだしていたままの身体を元に戻し
敷いてあった座布団に座り直し
沖田は近藤の逆の土方とは真逆の座布団に座る
「私をここに置くヨロシ。銀ちゃんと一緒に住むネ」
「「「「 はい? 」」」」
その少女が放った
その発言に一同は固まりをみせる
暫くの沈黙が局長室を包み込む
「だから、銀ちゃんといるネ」
少女は、もう一度
念を押そうと思ったのか再び告げると
横にいる銀時が声をようやくあげた
「嫌々嫌々嫌々いや、無理だって」
「そ、そうだぞ。ここは、男所帯だし、男ならまだしも女の子を置くのはちょっと」
その銀時の発言に同意をするかの様に
賛成の意を示す。
「面倒くさい男アルナ。お前、モテナイだろ」
「そういやぁ、近藤さん。行かなくていいんですかぃ?」
「え?何処にだ?」
「今日、とっつぁんとどっかの店で会うとかこの前いって……」
沖田の言葉を遮るように
無機質な携帯の着信音が鳴り響く
近藤は背筋に冷たい感覚を覚えて
ドタドタと音を立てながら
全速力で支度をして屯所を出ていった
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