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冷たさと暖かさ
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坂田銀時が真選組に加わって、数日
今までは、銀時は客間で寝ていたのだが
そろそろ部屋を決めようと
銀時、近藤は部屋割りを話し合い
話しにあがるような誰か近くに人がいる場所ではない
副長の隣でも,沖田の隣でも、隊士達の大部屋の横ではなく・・・5,6部屋ある客間を通り過ぎて
最後に残るような誰も入りたがらない
1つポツンとある部屋を選んだのだ
そこは、皆から離れた部屋ではあるのだが、
近藤も気づいてはいないのだろうが、近藤の部屋に一番近い場所だった。
近藤はしばらくの間渋ってはいたのだが
銀時が聞く耳を持とうとしないことにとうとう折れて
どうしてもここがいいと言い張る銀時に、近藤も説得を断念した。
それから、一週間がたった頃の朝、
銀時は近藤に呼ばれた。
「銀、おめぇあいつらととうまくやれてねぇのか?」
「近藤さん、悪いけど俺は」
「だがなぁ・・・仲間と連携できねぇと捕り物もあるしよぉ」
「安心しろよ、それはうまくやるさ」
気にしないでくれと言われてしまば、
それまでなので近藤は何もいえずに
部屋から立ち去る銀時の背中を見つめることしかできなかった
「あんた、お人よし過ぎるよな」
近藤さんの襖を閉め誰もいない廊下にその声は響いた
屯所の中を歩くと
名簿の札がぶら下がっている所に
目がいく、どうやら今日は
3、4番隊が巡回に出ているようだ。
廊下を歩き、人がたくさんいる場所に出ると、複数の鋭く突き刺さるような視線を感じる。
そんなことを、さして気にすることもなく食堂に行くとこれまた、大勢の奴らが奇異的な物を見るように
俺を見てくるが、俺は食堂のおばさんたちに一直線、駆け寄ると
今日の定食メニュー
ご飯、味噌汁は定番であるとして今日の朝のメインメニューのコロッケにミニトマトポテトサラダが添えてあり
デザートには、プリンがついていた。
俺は、デザートを楽しみにしてこの食堂に来ているようなもんだ
誰も座っていない6人位座れる長テーブルに座ると俺は、一人で食事を食べ始めると、何時も通り
ひそひそと顔を見合わせて此方をちらちら見てくるやつもいるが、わざと聞こえるようにあることないこと大声で
騒ぎたてる奴もいるが、
普段と変わらず無反応で対応して
その日も、何も変わらず、起こらずに
終わると思っていた。
定食メニュー、デザートと食べ終わり俺が席から立とうとした瞬間
__バシャッ
つめたっ、そう感じた
顔を上げると、一人の平の隊士らしき男が水をかけてきたようだ
それも、にやにやした表情で
何時も大声で悪口を言ってきた奴のようで、ざわざわと周りが騒がしかったので周囲を見渡せば
その所業にたいし
怯えたような瞳で見てる奴、
それを面白いと感じているのか口がつりあがり嫌らしい笑みで見てくる奴、
食堂中の視線が俺に集まり、俺がどうでるか探っているようだった
俺は食堂の返却口に食器を戻すとそのまま出口に向かう。
俺はズボンのポケットにグチャッと
入れっぱなしのスカーフを取り出し、
濡れた顔、首元を拭うと部屋に戻った
近藤には、なれるまで仕事はしないで
いいと言われていてすることがな為、
俺には寝ることぐらいしか
やることはない
「・・・寝るか」
隊服は着ると実際きついので着たくない
就寝時と休みの日は着ていなくてもいいのだ
だから俺は、特に仕事をしてるという訳でもないしずっと、着流しでいたいが
近藤には慣れといたほうがいいと
いわれたので着ている
流石に隊服だと寝ずらいので何時もの寝間着、ベースを白に流水紋がデザインとして描かれたものを着て、暖かい布団に包まろうとした瞬間、
俺の部屋の襖が開き少し外の冷たい空気が流れ込み、身を縮め部屋の戸に
視線をやると
俺の部屋を開けた人物は
とてもつもなく、地味な男だった
何処にでもいそうなそんなやつ
「あんた、悪いけど閉めてくれる?」
「すいませんけど、副長俺と出掛けてください」
「………嫌だ、寝る」
「ちょっ…!!困りますよ
局長から頼まれているんですから」
「………近藤さんに?」
その言葉を呟き、布団から顔を出すと
始めて地味な男と目があう、
俺はそいつの顔に見覚えがあった
隊士達の顔なんて覚えてない
余り見ていないからだが……
地味目な男なのに何故か覚えていた
「挙動不審な地味なやつ」
「え?」
「桜の木の下でみたよ、あんたのこと」
「………!?……そうですね」
「思い出すの遅いね、あんた」
「坂田副長、俺には山崎退って
れっきとした名前があるんですから
“アンタ”じゃなくて山崎って呼んでくださいよ」
変なやつだ、そう思った
俺をみて、嫌そうな顔をしない
それどころか名前を名乗って
笑ってくるやつ、久しぶりにみたな
銀時は、きずいてなかった
一瞬だけ、自分が笑ったことを
「ジミーくん…悪いけど」
「坂田副長、失礼しますよ!!」
そう言い、ジミーくんは俺の布団を剥いだ、一瞬、ジミーくんの目が大きく開かれた気がしたが
でも、それは直ぐに元に戻り
そして、俺はなかば強引に屯所の外に
連れ出された
4月とはいえ、着流し一枚しかも、
寝間着となると少し寒かった
だけど、屯所を出て少し歩くと
きらびやかな町が広がっていて
色とりどりの着物が売られている呉服屋
何が違うかは分からないが色々な種類の酒が置かれている酒屋
美味しそうな団子屋や定食屋等
沢山の店が出されていて、
それと比例するように
沢山の人で溢れていて
目眩がしそうな程だった
仲睦まじい親子、兄弟
手を繋いであるいている恋人
全部が新鮮だった
歩く度に変わっていく街並みに人に
俺は目まぐるしさを感じていた
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