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風呂と居心地
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黒髪V字の副長さんに
穴が開くんじゃないかと言うくらい
じーっとガン見され、
俺も居心地が悪く感じ
さっさと出るに限るなと浴槽の縁に手をかけると、何やら副長さんの後ろから
よく通る声が聞こえて
俺の行動も一時停止する
「土方さん、そんな所に突っ立ってないで、さっさと退いてくだせぇ
他人の事を考えられねぇよおな人は
録な大人に慣れやせんぜ」
「そうだぞ、トシ。俺みたいな大人になれないぞっ!!」
「局長、あんたは録な大人に分類されるような大人(ひと)じゃないですよ」
「ザキっ!!ひどいっ」
「つうか、何時までんな所で棒立ちしてんだ土方このやろー」
沖田の片足が土方の背中におもいっきし
蹴りがはいり、土方はその衝撃によろけ
手をつくまでには至らなかったものの
膝をつき、沖田の方に顔を向けひきつった笑みに口元が少しひくひくとした表情で土方もまた、沖田とのバトルを開始といった風にプラスチックの桶を投げつけるが沖田はそれを華麗によけ更に反撃を開始する
「イデッ、ちょっと副長も沖田隊長も落ち着いっアデッ」
その犠牲となった山崎は諸に攻撃をうけ
いつのまにか、土方と沖田とのバトルではなく、山崎を的にしたバトルに変わっていった
「折角、一人風呂を満喫しようと思ってたのに何できやがんだ死ね土方この野郎っ!!」
――スコーン
「んだとコラぁッ、こっちはなぁ、お前が破壊した店やら道路やらの事務処理がやっと終わったとこなんだよっ」
―パコーン
「おいおい、二人ともその辺にしとけ
じゃねえと、山崎が使い物にならなくなんだろっ」
ゴリラが仲裁に入り、
二人とも一旦は争いを止めたものの
また、バトルを開始しだす
この内にさっさとおいとましようかと
今度こそ浴槽から腰を上げると
ジミーくんと目があった気がした
いやいやいや、気のせいだな、うん
あの、ジミーくんだしね
ないないない、俺がいること何か気づいてねぇだろ
まぁ、副長さんとは目があったけど
今じゃあのえーっと何だっけ
総一郎君?の挑発に乗って頭に血が昇ってて頭の隅に俺がいることは追いやられているだろうし
「さ、さ、さ、坂田副長っ!!!」
「…へ?」
ジミーくんの大声に風呂中に反響して
更に響き渡る
皆、驚いたような表情で俺の方に顔を向けるが、そろりとこの風呂から出ようとしていた身としては何だか
居心地が悪い
何となく、上げた腰をおろし
再び湯に浸かる
「坂田副長っ、何でこんなとこに?
俺はてっきり、何時もの銭湯に行ってると思ってたんですけど」
「こんな、大雨のなか銭湯なんかに行けるわけないだろうが」
「そ、そうですよねっ!!」
「おおっ、銀っ!お前が、こんなとこに居るとは思わなかったぞ
何時も、誘おうと思ったときには
部屋にはいねーし、そうか、銭湯に行ってたのか」
ジミーくんとゴリラは俺の前で
にこにこと話しかけてくるが
後ろにいる、二人を見れば
副長さんは、身体を洗い始め、
総一郎君は暫く俺を見つめた後に
同じく身体を洗い始めた
「じゃあ、俺、上がるわ」
「えっ、もう、上がるんですか」
「流石に逆上せてきそうだし」
「そうか、今度は一緒に入ろうな」
「今度、ね」
ほんのわずかに広角を上げて
近藤に返事を返せば
それを見ていたジミーくんは何故か
ぽかーんと口を開けたまま
アホみたいな顔をしていて
俺は、それに構わず出口に向かう
途中で副長さんに振り向きもせず
呼び止められる、後で話があるから
副長さんの部屋に来いとのことだった
それに、適当な返事を返し出口に再度
向かった
「局長にはあんな顔するんすね?」
「ん?何のことだ?」
「別に何でもないです」
本当に分からないみたいな顔で
問いを返され、小さな子供みたいに
少し拗ねたような声色で返した
それに、何かを思ったのか思っていないのか分からないが、ただ、そうかと
穏やかな表情で言う
それよりも、山崎は
銀時の濡れた髪の毛、火照った頬、身体に釘付けでしっかりしろ自分っ!!と
誰にも気づかれぬよう己の中の葛藤と戦っていた
「はぁ、あれは狡いですよ」
「山崎、何が狡いって?」
「いえ、別に」
自分の中の記憶に鮮明に焼き付いた
さっきの姿を思い浮かべては頭をふり
思い浮かべては頭をふるを繰り返していると大量の水が入った桶を誰かにぶっかけられて何ごとかと思って振り向けば
沖田隊長が俺を蔑んだ様な表情で見下ろしながら背後に立っていた
「何すんですかっ!?沖田隊長!!」
「にやにやと気持ち悪い顔してたからなぁ、逆上せた頭を冷やしてやろうとおもっただけだ」
「冷やしすぎですよっ!殺すきですか!!」
悪びれた様子のない
沖田隊長に抗議するがまるで聞く耳を持たずに、副長からも桶が飛んでくる始末
「うるせぇ、風呂くらい静かに入れねぇのか」
「いや、だって沖田隊長がっ!?
って、あれ?」
沖田隊長は何事も無かったかの様に
局長たちと風呂に浸かっているようす
終いには、副長に鋭い眼光で睨まれ
俺も、大人しく風呂に浸かり
腑に落ちない事もあるにはあったが
今日の疲れを癒した
やはり、坂田副長の事を思い出しながら
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