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信用と信頼
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あれから、3日間
動けない為
書類を目で通し、判子を押すという
流れ作業を行っていた訳だが
「暇すぎるんですけど、ポンポン、ポンポン俺は書類製造マシーンじゃないんですけど!!」
部屋の片隅にある松葉杖をみやる
四つん這いでその2本を取り
壁に手をを掛けて立ち上がる
痛みも最初よりは引いてきたが
全くない訳ではなくツキッと痛む箇所を抑えながらも、障子を開けて直ぐの縁側に座ると
暇だ~と足をぶらつかせていたら
コツンと足に何かが当たった
「何だこれ……マヨネーズか?
でも、それにしちゃ軽いしちっちゃくねぇか」
そのちっさいマヨネーズを振ったり
弄ったりしていると
ボッと火がつく
「うぉっ!何だこれ?」
ライターか?と用途が分かった
今でも頭にクエスチョンマークが浮かぶ
「てか、これ誰が使うんだよ
マヨネーズ型って小学生の消ゴムじゃねぇんだから、こんなの恥ずかしくて持ち歩けねぇよ」
これを持って歩く大人を頭に思い浮かべ
笑いが溢れる
おっと、持ち主が帰ってきても
あれだからさっさとおいとましようかね
「悪かったな、こんなので」
「そうそう、趣味悪すぎんだろ
こんなの使ってるの見られたら出歩けねぇよ、……へ?」
上から降ってくる声に動きが止まる
ぎぎぎと壊れたおもちゃの様に
顔を上に上げると
副長さんがいました
「あの~、も、もしかしてこれって」
「もしかしなくても俺のだ」
副長さんを見上げていると
手を差し出してくる
「俺、金なんか持ってねーよ?
副長が金巻きあげるなんて聞いたこともねぇよ」
「ライターを渡せってことだよ!!」
マヨネーズライターを差し出す
副長さんはそのライターを取ると
煙草に火をつけ、人、二人ぶんの間を取って座る
え?何で座るの、頭でもやられてんじゃないの?
「まだ、ここに居るのか」
「は?」
「そんな、怪我してもまだ此処にいんのかって聞いてんだ」
「居るに決まってんだろ、俺もここの隊士何ですけど」
「そうか」
副長さんが珍しく驚いた様な表情で此方をみて、直ぐに顔を前に戻し
煙草の紫煙と共に言葉を溢す
少しの沈黙が過ぎ
副長さんは、
立ち上がり煙草をふかせながら俺を見つめる
「俺はお前に直接、手を下すことはねぇが、助けてやるつもりもねぇ」
こちらを真剣な瞳で見続ける
副長さんに視線を合わせる
「だから、俺達を納得させるこった
お前が真選組に必要な存在だと無くてはならない一部だと、まぁ、んな日が来るとは思えねぇが」
「副長さん、どうしたって俺は俺だよ
それ以上でも、それ以外でもねぇ
あんたらに認められるとか認められないとか正直、どうでもいい。
けど、俺は俺のやり方でやっていきますよ」
副長さんは煙草を揉み消すと
足を進めていたが俺が話し始めると
背中越しに聞いているようで
俺が話終えるとまた足を進めた
副長さんの吸っていた
煙草の紫煙が匂いと一緒に空気に
溶けていった
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