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局長とストーカー
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手をかけていた戸が不意に
ガラガラと開く
「姉上、ただいま戻り、まし…た…」
「あら、お帰りなさい、新ちゃん
丁度いいわ、銀さんを居間に案内しといてくれる?私はちょっと、回覧板を回してくるから、…逃がしたら承知しないわよ」
新八はお妙のその表情に背筋を凍らせ、了解しましたとばかりに
銀時の襟首を引っ付かみ廊下をズルズルと引きずっていく
その後を山崎が足早に追いかける
「ちょっ、お前らっ、俺はひっとことも、やるなんて言ってねぇんだけど!?」
「我慢してくたさい、じゃないと僕が殺されます」
「そんなの俺の知ったこっちゃねぇよ」
「あんた、警察でしょ
善良な市民をコロス気ですか!?」
「あんな怪力女
産み出す時点で善良な市民じゃねぇだろ」
「あ、お構い無く」
「何時もの癖ですいません、えっと」
「山崎です」
新八は銀時とその隣に座る山崎にお茶を出すと
盆を横におき、机を挟み銀時の向かいに座る
ズスズズと帰ってきた新八が淹れたお茶を未だ納得がいっていないような顔で銀時はすすると、
お妙が戸を閉めたのを確認すると
机に頬杖をつき、それを見た山崎は職業病なのだろう話を持ち出す
「失礼ですけど、本当にストーカーの被害なんてあるんですか」
「はい、まぁ、僕も最初は半信半疑だったんですけどどうやら本当のようで、最近じゃあ行くとこ行くとこに現れて、この前は家にも不法侵入して大変だったんですよ」
「ほー、そりゃあ大変そうだな」
銀時は机の上に置かれている
せんべえに手を伸ばし、ばりぼり音を立てながらさもつまらなさそうな表情でその話に相づちをうつ
「そんな大胆にしてんなら、顔も割れてんだろさっさと通報して俺を解放してくれ」
「それは、無理です」
「何で、」
「そんなの決まってるじゃない、ボコボコにして再起不能にした方が手っ取り早いからよ」
お妙が台詞とはかけ離れる
穏やかな表情で言った
※
「新八君のお姉さんはずっとここで働いてるの?」
「まぁ、以前からもここで用心棒として変なお客さんがいたら摘まみ出す仕事もしてたらしいんですけど、今はキャバ嬢兼用心棒って感じで働いてます」
「来ませんね、ストーカー」
「そうだけど、何でジミーくんもいるの?仕事は?」
「今日は休みとったんですよ、旦那の病院もあったし」
何時もより強気な発言の山崎から視線を外すと、『病院』という言葉に反応した新八とも目があい、
仕方なしに視線をお妙が店の客に酌してるの見ると山崎がふと思い立ったのだろう新八に問う
山崎も新八も似通った所が幾つかある、直ぐに打ち解けあった
銀時は二人の会話を軽く聞き流していたが、新八が気になる言葉を吐いた
「新八君、警察にも相談しなかったの?」
「はい、姉上もあんな感じなので、それにしようにも近々祭りもあるし、最近、何でもストーカーの殺傷事件が相次いでるらしくて奉行所も手が回らないらしくて」
「ストーカーの殺傷事件?」
「あれ、知りませんか?」
「うちは特別警察だからそういうのは、よっぽどじゃないと上がってこないんだよ」
3人とも気が抜けていたその時、
店の外で女の悲鳴らしき声が聞こえてきた
お妙の姿はない
銀時の脳裏には、ストーカー殺傷の言葉が頭から離れなかった
銀時の表情を見た、山崎は
顔を強張らせる
銀時は店の外に出、そこに山崎、新八も次ぐ
店の外の光景は愕然としたものだった
お妙が何処かで見たことのあるような男の上にまたがり、グーパンをかましまくっている構図だった
「…局長」
山崎がそれだけ言うが、その後の言葉は出てこないようだった
「あ、姉上っそれ以上やったらその人死にます!」
「し、新八君、ストーカーって、アレのこと?」
「はい、姉上をつけ回してる男ですけど、どうかしましたかって、銀さん何処行くんですか!?」
「何処って、帰るに決まってんだろ」
「あんた警察でしょ、この男どうするんですか」
帰ると言い先を歩く銀時も気になったが
お妙の行動がエスカレートし、
男をぼこなぐりにしているため
男を救出することの方が先決に見え、新八がお妙を男から引き離し
山崎はその見知った、いや、知り合い以上の男を山崎は素早い動きでお妙から遠ざける
「何の騒ぎだ?」
そこにパトカーが現れ、
中から土方が出てきた
「副長!」
新八は、この前の人かと思い出し
土方を見据える
「いや、それがですね、」
山崎がタコ殴りにされた近藤のことを言っていいものかと言い淀んでいると、土方は、溜め息をつきまたかと呟く
山崎は、それにえ?と溢すと
土方が出てきた反対のドアが開き、
これまた誰かが出てくる、その人物に土方は少し面倒そうに顔を歪める
「土方さん、まだですかぃさっさとしねぇと置いていきますぜ」
「沖田隊長」
「山崎、近藤さんパトカーに乗せろ」
「え、…はいっ」
「あの、その人知ってるんですか?その人は、警察は警察でも奉行所の方だとおもうんですけど」
新八がそう声をかけると
土方と沖田がパトカーに乗り込もうとした動きを止め、
新八を見る
「知ってるが。なんだお前、知り合いか?」
土方が新八を怪訝そうな表情で見る
その瞳を真っ直ぐ見返し、
「知ってるも何も、姉上のストーカーです」
新八から出た言葉に若干顔を歪め、
ボソッと心の声が漏れる
「あの、女の弟か」
「え?」
「いや、何でもねぇ、」
不思議そうな表情をする新八に
はぁと小さく溜め息をつく
胸ポケットを探るが何時も手に当たる感覚を感じず、煙草は先ほど切らしたのだと思い出す
手持ちぶさたな手をそのままに
新八の方を再び向き直る
「お前の姉貴が、タコ殴りにしてた人が、俺達の大将だ」
「大将って、あんた、え?…真選組、っはァァァァ!?」
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