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過去と故由
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「桂さん!!桂さん、大丈夫ですか?!」
「どうかしたか?」
「いえ、何処かボーッとしていたので」
「いや、昔の仲間が変わらんのは存外悪い気はしないと思ってな」
「はい?」
「ほんとに変わらんな、アイツは」
『俺があそこにいる理由は、んな大層なもんじゃねぇ、俺があそこにいんのは恩があるからだ。幕府側につくなんてのはまっぴらゴメンだが、俺は真選組局長、近藤勲があそこにいるからだからあそこにいる、俺は俺の信じたい道に俺の美しいと思った生き方をする、そんだけだ』
「……らさん!!桂さん、本当に大丈夫なんですか?」
「あぁ、気にするな。で?今度はなんだ?」
「その先程言っていた、白夜叉殿が真選組と上手くいかない理由を知ってるようなことを言っていましたが、それはどうゆう意味ですか」
「そのことか、それはな以前、真選組のある一人の隊士が___」
スッと襖を開けるような音がしたかと思うと、室内に入ってきた部下が俺の顔を見て声をあげる
「あれ?桂さん、この時間バイトじゃあありませんでしたか?」
「なに?!今、何時だ!!??」
「7時半ですけど」
「え、もうそんな時間?!早く行かないと、今日の雇い主めんどくさそーなんだよな、じゃ、戸締まりよろしく頼んだぞ」
「「「えーーーーー!!!」」」
※
「海に爆弾?!攘夷浪士の犯行か?不信感が募る真選組、駆けつけたものの間に合わずですって土方さん、また一段と真選組は嫌われ者ですねぃ」
「もう載ってんのか、半日も経ってねぇぞ」
「そりゃあ、最近のメディアは速いのが売りですからねぇ、まあ、あの爆発でしたしね」
「んで?何のようだ
まさか、それが何時もの嫌がらせってんじゃねぇだろ?」
午後8時を回り
書類作成をしていた土方のもとに
沖田が訪れ、夕刊の記事の一部分を読み出した
土方の部屋に来て、何の嫌がらせもないなんてないに等しく
土方には、心当たりがあったが
沖田に問う
「まさか、んな手緩いなんて思われちゃあ心外でさぁ、俺が聞きてぇのはどうするかってことですよ、坂田銀時を」
「そのことか、決まってんだろ
局内の法度に従い、切腹だ」
_ガタン
「だとよ、山崎。そこで、聞いてんだろ」
物陰で派手な物音が立ち
恐る恐る襖からこちらを覗く
「バレてたんですか」
「バレバレだ、子供でも分かる
あんな、物音立てりゃあな」
「で?山崎、何か聞きてぇことがあったんじゃねぇか」
沖田の言葉で
はっと思い出したような表情になると
姿勢を正し、土方の方へ向き
口を開く
「副長、旦っ、いえ坂田副長はどうなるんでしょうか?」
「多くの隊士が桂の隠れ家から奴が出てくるのを目撃した、これは局中法度の違反に値する」
ギュッと拳を握り
唇を噛みしめ、言葉が出てこない
「よって、坂田は切腹だ」
「そんな簡単に腹切ってくれるとは思いませんがねぃ」
「そんときゃ、たたっ斬るだけだ」
「……土方さん。証拠足りなくねぇですか?あるのは、状況証拠だけ、確定的な証拠がねぇ」
「お前が掴んできた、情報通り奴はあそこにいたし、アイツは真選組だぞ、接点なんてあるわけねぇ。だとしとら、答えは一つだし、それが紛れもねぇ証拠だ」
「あぁ。そういや土方さん、あそこにいた一般人から、潔白だって証言が出てるんでさぁ」
「あぁ?!誰だ、それ?!てゆうか、そんな証言あんなら早く言えよ!!!」
「イヤー、忘れてました。すいやせん」
沖田がイヤーな笑みを浮かべる
「土方さん、じゃあ!!」
「その証言が本当なら、手の出しようがねぇ、本当なんだろうな?」
「んな面倒くせー嘘なんかつくはずないでしょうが」
「書類提出しとけよ」
「面倒くせー、山崎オメェやれ」
山崎は、土方の返答を聞くと
心軽げに立ち上がり、さっさと出ていこうとしていた山崎の襟をひっつかみ
押し付ける
「え?何で、俺が!!」
「山崎、一つ忠告しとくが」
さっきとは打って変わって
低くなった声に、驚き、緊張帯びた表情になる
「なんですか?隊長」
「深入りしすぎじゃねぇか、後々、後悔することになるのはオメェだ」
山崎は、監察だ
しかも、土方側の
誰かに肩入れするということは
後々、自分が苦しくなるということになり得る
そして、銀時が素性も何も分からない怪しい人物だということも
山崎とて、そんなことはわかっている
わかっているが
「隊長、俺は監察ですから、危惧してるようなことは起こりませんし、ちゃんとこの仕事にプライド持ってますから。それに、あの人は何かほっとけないんですよ。まあ、それ以前に裏切りなんてしないと思いますよ」
山崎は、ヘラっとしたような表情で
失礼しますと頭を下げ部屋を出ていった
沖田は面を喰らった様な、表情で出ていった山崎の後ろ姿を見送る
それは、土方も同じだった
しばらく、静寂が部屋を包み、
土方は持っていた筆の墨がぽたりと落ちたのに気づくと、意識を取り戻す
「お前の用事も終わっただろ、さっさと部屋に戻って仕事しろ」
「驚いてフリーズしちまったぜ」
「驚きなのは、お前だ」
「何がですかぃ?」
「嫌ってる奴を庇うような真似してだ」
「あぁ。そのことですか、そんなの
面倒くせー書類やら何やらしなくていいし、それに、はっきりとした証拠掴んで斬った方がいいに決まってんだろうが、んなこともわかんねぇのか土方この野郎」
「何時も、何時も人を舐めたような態度取りやがって」
「何言ってんでさぁ、土方さん
嘗めたようなじゃあなくて、嘗めてんですよ、じゃあ、俺寝るんで、永遠の眠りにでもつきやがれぃっっ!!」
そう言い、取り出したのは
見覚えのあるバズーカ
土方の部屋から、煙が出たのは言うまでもない
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