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歪んでく(*)
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「じゃ、失礼します。ありがとうございました」
夕飯を食べ終え、暫らくすると、俺は席をたった。
「まって」
「え?」
「何いうか、その…もうちょっと、一緒に…いたいなぁって」
「…っ!」
「それに、お前…ホントドライ。せっかく俺がお前のもんになったのに、そんなあっさり帰るなよ。ね、居てくれるよね…」
そんな、うるうるした目で…上目遣いで…オネダリ…
「俺のこと殺す気ですか、先輩…」
居るしかないじゃん!
「……ふふ…ありがと」
可愛い。これが、俺の恋人とかたまんない。
「先輩って、可愛いね」
「……」
照れてる。照れてますよ!皆さん!!
「こーんな所、ほかの人には見せれないね」
「結生くん以外の前では甘えないし」
「先輩、俺に甘えるの好きだねぇ」
「うん」
立ち上がり、机を挟んで向かい側にいる先輩を後ろから抱きしめれば、もたれ掛かってくる。
「あったかい」
「ですね」
「結生くんドキドキしてる~」
「うるさいですよ…どれだけ片想いしてきたと思ってるんですか」
「どれだけ?」
「先輩が、中1の時からだから…4年くらい」
「写真だけで4年も? すごいね」
「心臓鷲掴みにされましたもん」
「実物は、どう? 結生くん風に言えば、ただの“綺麗な顔の人”では無かったけど」
「もっと好きになりました」
「変わってるね」
「ええ。自分が異常なのは自覚してます」
「俺と、一緒だね」
普通の人には理解されにくい、異常な人間達の、いびつな関係は、こうしてはじまった。
これから、どんどん歪んでいく。
それは、簡単に予想できた。
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