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分からない
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「しょうがないじゃん…あんたのことが好きなんだから」
「え…?」
「好きだからこそ、あんたがどうやって生きてきたのか知りたいし、何が好きで、何が嫌いなのか知りたいし、何を考えて生きているのか、知りたいし、これからどうなりたいのかも知りたい。
そして、あんたの過去も、今も、未来も…新樹から受けたことは切り離されないんだよ、あんたを語る上では新樹は嫌でも出てくる。
だったら、俺は新樹と、あんたに起こった事を全て知りたい。
それも、あんたの一部なんだから、嫌でも、いつか、必ず…受け入れなきゃいけないことだから! 俺は、知りたいと思わざるを得ないんだよ!
苦しいし、嫌だし、そんな部分に触れる度、自分が嫌いになるほど嫉妬するよ…でも、それでも受け入れるって決めてる。
なのに、あんたは…俺が新樹のことを聞くたびにおびえるんだね。俺が、どんだけの覚悟で聞いてるかしりもしないで……
ねぇ、どうすれば怯えなくなるの? 教えてよ! 遥人!」
凄い勢いでまくし立てられた。
そんな覚悟なんて、分からない…
そんな感情なんて、知らない…
そもそも、俺は人にこんなに思われたことがないんだから。
いつでも、邪魔者扱いされて、新樹がいないと平穏に暮らすことさえ、許されなくて…
存在するためには、新樹のおもちゃになるしか無くて…
人の温もりなんて、知らない。
分からない。
結生くんの言っていることが、普通なのか異常なのかも分からない。
「分からない」
「分からない?」
「こんな、あつい感情に触れたのは、初めてだから、分からない。友情なら、由真のおかげで、何となく分かってきたけれど、愛情がよく分からない。そんなもの注いでくれたのは、結生くんが、初めてだから……俺はどうすればいいのか分からない……どうしよう…俺は、どうすればいいの? 」
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