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初耳(*)
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「さっきまでの流れでそれ聞いてくるとか…ウケる」
「でも、大マジです。さあ、教えろ!」
新樹は少し考えるような素振りをすると首を僅かに傾げた。
しかし、よく見るととことん似てるうえに綺麗な兄弟だな…。父親はどんななんだろう。
「これと言って特別なことはしてないよ。ただ、ハルは、素直だから、少し怖いことで脅しながら命令すればどんな事でもできるようになるよ? 例えば、今からキスするけど、ヘロヘロになったら別れる…とか言ってみたら?」
「は!? そんだけ?」
「うん。俺、別に暴力…あー、物理的な暴力は奮ったことないし…別に、縛り付けて服従させたわけでもないし…」
脅すだけでいいとか、先輩、意外とチョロいんすね。
「まあ、ハルが懐いてないと無理だと思うけど、多分君なら大丈夫」
「もう少しいいですか?」
「うん?」
「前、あなたが来た時、先輩…凄く怯えてたんですけど、なんでですか?」
「あー、うん…なんて言えばいいんだろ…一つは、多分君に自分の醜い部分を見せたくないってのがあるんだと思うんだけど…もう一つが、多分ハルを捨てた時の状況のせい」
「どんな状況?」
「言いたくない……自分でもかなり最低なことしたし」
「そういえば先輩が無言で攻められることととかローターつけられて放置とか、目隠し、聴覚を奪われるの嫌いって言ってたんですけど」
「まあ、それ+αをしたと思ってもらえれば」
「…最低ですね」
「…………楽しそうって顔してるけどね…」
「すみません。根っからのSなんです。本気で嫌がることはしませんけど」
「他には?」
「さっき、思ったんですけど、先輩もあんたも結構似てるし、綺麗だし、父親ってどういう人なんですか?」
「父親ってどっちの?」
「?」
「ハルに三波の姓をくれただけで他は何も与えなかった最低なクソジジイか、
俺達の血縁上の父親で、ハルの学費や生活費を工面してくれてるイケメンのほうか
どっち?」
初耳なんですけど。
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