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執着(由真)
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俺は、結生の『オカシサ』を知っている。
実家の結生の、部屋を見ればすぐに誰でも気づく。
結生の部屋には、遥人の写真が夥しい量あるからだ。
だが、結生は高校に入るまで遥人を直接見たことすらないので、盗撮したものではない。
すべて、俺や遥人の友人、学校が撮ったものだ。
もちろん、それらの量はどう頑張っても夥しくはならない。
結生が焼き増しして、同じ写真を何枚も持ってるから、夥しい量なのだ。
そして、結生は写真を眺めながらこう呟いたことがある。
「すごい、綺麗だ」
「たまらない」
「壊したくなる」
「手に入れたい」
「どうしたら、俺の物に?」
「閉じ込めたい」
「好き」
「欲しい」
「歪めたい」
「抱きたい」
「この人のものが欲しい」
「この人の一部でいいから俺の中に欲しい」
我が弟ながら怖かった。
さらに怖いところは、この後兄に呼ばれてケロッとした顔をして、俺の横を通り過ぎていったことだ。
「遥人と、付き合えたら何をしたい?」
と聞いたら
「壊したい。俺なしでいられなくしたい」
と答えた。
「遥人に振られたらどうする?」
と聞いたら
「振り向くまでアタックする」
と答えた。
「遥人に心の底から嫌われたらどうする?」
と聞いたら
「そうなったら、先輩を、殺してでも俺の物にするよ」
と、無垢に笑いながら答えた。
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