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榊結生の異常性
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「で、どういうこと?」
「結生ってさ、俺らと同じ中学なんだ」
いきなりなんだ。
「それがどうかした?」
「でも、お前に会おうとしたのは高校に入ってからなんだ」
…つまり、会うチャンスは今まであったのに、会おうとしてくれなかったってこと、だろうか。
「何で、今? 関係あんの?」
「結生が今までお前に会おうとしなかったのは、コイツの性格が、悪かったからだ」
「結生くんの?」
「ああ。なんというか…自分の気に食わないことされると怒っちゃうタイプ。結生の言うことは正しいんだけど色々やり過ぎちゃう。自分の言い分を通すためなら何でもする…そんなタイプ」
「へぇ…意外」
「欲求に対しても怖いほど素直で…小学生の頃は学校の花壇荒らしたことがあるぐらいなんだ。しかも、笑顔で。他にもうちの庭の花を切っていったり、自分の手をバラのトゲでズタズタにしたこともあるし、高い絵画を絵の具で塗りつぶしたこともある。俺も…昔だけど顔に刃物を突きつけられたことがある。母の髪を切ったこともあるし、父の書斎を荒らしたこともある」
すごい勢いで明かされていく結生くんの異常性。
「花瓶や壺は割るからおいとけないし、シャンデリアとかも壊されるから、普通の蛍光灯だし、花壇も荒らされるから、花は植えれない。それに、実家の結生の部屋…凄いんだぜ? カーテンや布団はズタズタ。本棚には本が入ってなくて、床に散らばってる。服も散らかり放題で……」
由真が少し視線をさ迷わせた。
「ーーー壁一面にお前の写真が貼り付けられてる。中にはズタズタのものもある。同じ写真も何枚もあるよ…」
由真が口を閉じて、こちらを確認してくるが、続けて大丈夫だと判断したのか、話を続ける。
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