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カワル
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「でも、冷静になると…すげぇ後悔するらしくて…辛そうだった。でも、また綺麗なものを見たら壊したくなる…冷静な自分じゃいられなくなる…から、直したり片付けたりすることも出来ない…」
「それで?」
「……っ」
「大丈夫。結生くんを嫌いになったわけじゃない」
「……そうか。ありがとう」
由真も、大概ブラコンだな。
「結生はさ、お前に会うのはこういう破壊の衝動を抑えられるようになったら…と決めて努力してた。中二の後半では、ある程度、卒業する頃には今の結生の状態…つまり、きっかけさえなければ、ただの少しSっ気のある普通の男…になってた」
「きっかけ?」
「うん。
暴力をふるわれたとき
暴言を吐かれたとき
許し難い言動を受けたとき
大切なものが他者によって壊されそうになったとき
大切な人が罵られたとき
結生は、壊れる…いや、元に戻る」
由真の瞳は揺れている。結生くんがそうなったきっかけは語ってはくれなかったが、恐らく由真が何かしらを知っているんだろう。
そして、俺がこの事を聞くことによって、結生くんを嫌うんでは、恐れるのではと恐れている。
確かに、結生くんの様子は、恐ろしいものがある。
でも、俺のために変わろうとしてくれて、現に今、こうやって優しい結生くんがいるから、俺は…結生くんを嫌ったりはしない。
「大丈夫だよ。由真。俺は結生くんを嫌ったりしない。結生くんは、こんな俺を受け入れてくれたんだ。こんな俺のために変わってくれたんだ。嫌いになるわけない」
「今…結生は、あくまで気を失ってるだけだ。目を覚ました時、冷静になっているか、まだお前への破壊衝動があるかはわからない。それに、こうなってる理由も分からない。それでも、いいのか?」
「いいよ。受け入れる」
「そうか…ありがとう。まあ、結生が落ち着くまで俺も近くにいるようにするから、壊しはしないさ」
「うん」
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