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プロローグ
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自分の足音に追われるように歩くサラリーマンたちを躱しながら、力を入れて店の木製のドアを開ける。
すると、ドアについたベルの柔らかく澄んだ、綺麗な音色と共に、店内のゆったりとした音楽と珈琲の香りが鼻翼を擽り流れてきた。
「こんにちは、天深さん。」
少し間が空いてから返事が返ってくる。
「_____ん...あぁ、いらっしゃい、ものくん」
知らぬ間にうたた寝していたのか、まだ少しだけとろんと眠気の残った声で、いつもより一層タレ目の天深さんはふにゃっと笑った。
けれど、笑えば目尻がもっと下がっていて。
寝ているのを見られたのが恥ずかしかったのか、はにかんで照れ隠しのような、人を脱力させてしまう笑顔を浮かべている。
そんな店長の笑顔に、思わずこちらも微笑んでしまいそうで、慌てて自分の手の甲を口元に押し付け、俯き加減に視線を逸らした。
(あァ...もー、ホントなにこの天使くっそ可愛い。)
そうです、目の前にいるこの天使は、
オレガノの店長であり、
性別♂の僕、武 凪斗(モノノフ ナギト)の想い人。
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