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本心
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結局僕はあの時言えなかった。
-セフレが欲しいんだ。-
それを口にすれば、僕は天空に拒まれるかもしれない。天空はショックを受けるかもしれない。
そう思うと、とてもじゃないけど言えなかった。
天空は苦しんでいたんだ。
自分を軽蔑しながら…
それでも僕は、駄目なんだ。
僕には自分の中で人には言えない大きな問題があった。
極度の寂しがりやだ。
いや、そんな生温いものでは無い。
生まれた時僕の身体はとっても健康だった。しかし、2つ上の兄は違った。生まれつき華奢な身体で、いつも心配されていた。ましてや1番目に生まれたから両親にとって何もかも初めてで、何でもかんでも一生懸命になって面倒を見ていた。
でも僕は2番目だから…
健康な身体だから…
あんなに一生懸命やってもらえなかった。
ヤキモチ、嫉妬、妬み、嫉み。
そんなことは分かっているんだ。分かっているけど、考えずには居られないんだ。
なんで姉さんだけ?僕は大切じゃないの?僕は愛されていないの?
いつしか僕は、欺くようになった。
大切な人を。大好きな人を。僕自身を。
辛い時も顔に出さない。
苦しさや辛さなんて人に見せない。
涙なんて、人前で流さない。
今が幸せだって言い聞かせて、苦しい気持ちを隠して生きてきた。
たった12年の人生には、重すぎることがたくさん詰まっていた。自分でさえも、もう本当の自分がどれなのか分からなくなっていた。
だから、欲しかった。
どんな形でもいい。
僕を求めてくれる人が欲しい。僕を愛してくれる人が欲しい。
例えそれが、偽りの愛だったとしても…
本当の幸せが欲しくて、愛が欲しくて堪らなかった。
だから、欲しい。
別にやましい事だとは思って無いけど、それでも天空に言えなかったのは、きっと…
自分に自信が無かったからだ。
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