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放課後と再会 08歩
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一口飲んでみると甘さと温かさが口の中に広がった。
「あたたかいなあ…」
ココアも楢崎さんも。
一度しか会ったことのない僕なんか放っておいて良いはずなのに、そんな事しないで何故か優しくしてくれる。
見た目怖いし何考えているのか分からない変な人だけど温かい人なんだと感じた。
だからって僕がすぐに気を許すことはないんだけど。
「お前、もうあそこで寝るなよ」
「どうしてですか?」
楢崎さんがあまりにも真剣な声で言うものだからココアを飲むのを止めて、顔を彼の方に向けた。
「寒いし危ないだろ。変質者に襲われたりしたらどうするんだ」
変質者か…。
「わざわざ変質者も僕なんかの相手しませんよ。それに、襲われた時は襲われた時です」
「あ?何で自分のことなのに、そんなに投げやりなんだ。自分のこと大事にしろ」
自分のことを大事に思えないのは昔からだった。
みんなに嫌われ、苛められる僕なんかを大事に出来るはずがない。
「いや、です」
嫌というよりは無理なんだ。
「後悔しても知らないぞ?」
「生まれたことを後悔しているので、もういいんです」
何も知らないくせに…っ!
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