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優先される理由 01歩 side 侑李
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3月に入ってから柚月と連絡が取れなくなった。
忙しいのだろうと思って、気にはしていなかった。
今日は大学の頃の友人のコウの家で飲んでいる。
そう。柚月のバイト先にたまたま行ったときに泊まっていた所。
コウの家は広いから、大学メンバーで呑むときはここで飲むのがお決まりだった。
このメンバーは俺とコウの他に、洋一(よういち)と修(しゅう)。
「ゆうちゃーん。つーまーみー欲しい」
酔った洋一が抱きつきながら言ってくる。
何が悲しくてこいつに抱きつかれないといけないんだ。
柚月なら喜んで抱きしめ返すが。
「何がゆうちゃんだ。ぶっ飛ばすぞ」
「侑李が一番来るの遅かったじゃん」
「ちっ。仕方ねぇな」
この飲み会では、来るのが一番遅かったやつが買出し係という決まりがある。
それは仕事だろうがなんだろうが関係ない。
「つまみだけでいーの?」
「酒も適当にー!」
「はいはい。じゃあ、行ってくる」
もう朝5時を回っている。そんな時間になっても飲み続けることができるのは、今日が土曜日だから。
俺は財布とスマホだけ持って、柚月の働くコンビニへ向かった。
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