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たったの一口 01歩
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目が覚めて、時計を見ると、まだ12時になったところだった。
三時間は眠れたかな…。
リビングへ行き、テレビを観ている楢崎さんに声をかけた。
「…おはようございます」
「もういいのか?」
「はい…」
あまり寝すぎても夜眠れなくなるし。
今朝まで死のうとしてたのに、今は大分穏やかだ。
特に生きようとも思わないけど、とりあえず捨てられたら死のうと、もう決めているからだろうか。
「おいで」
「はい」
楢崎さんが隣の空いているスペースをトントンとし、僕を呼ぶから、大人しく従った。
隣に座ると、腰に手を回されたから、楢崎さんに体を預けた。
なんだか恋人っぽい。
…って恋人だよね。
「ふふ、楢崎さん」と笑顔でそう呼ぶと、「ん?」と笑顔で返事が来る。
それだけでも、ほっこりする。
これが恋人なのかな…。
「呼んだだけですよ」
「そうか。そういえば昼食どうする?今、うちに何も無いから、出掛けないといけないんだが」
うーん。お昼かあ。
「最近あまり食べられないので、特にいりません」
今もお腹空いていないし。
食べると気持ち悪くなって、戻してしまう。
「少しでも食べないと栄養失調になるぞ。よし、買い物に行くぞ」
そう言って立ち上がる楢崎さんにグイッと手を引かれ、反動で僕も立ち上がった。
「え…。ほんとに、たべられないからいらない…」
掴まれている手を引き離そうとしたけど、僕の弱い力では不可能だった。
「取り敢えず、散歩だ散歩。そのついでに買い物する」
どうして散歩なんだろ…?
そう思いながらも、楢崎さんに手を引かれながら、外へ出た。
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