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たったの一口 05歩
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お昼ご飯は、楢崎さんは炒飯、僕はその四分の一の炒飯とヨーグルト。
炒飯は僕が作った。
「「いただきます」」
恐る恐る炒飯を一口食べた。
「う…っ」
自分で作ってなんだけど、普段ほとんど食べていなかったのに、いきなり炒飯ってあり得ないと思う。
後悔先に立たずなんだけどね。
一口だけ食べて吐き気で口元を抑えている僕の頭に優しい温もりが乗せられた。
楢崎さんの手だ。
「頑張って一口食べたな。あとは俺が食べるから、お前はヨーグルトを食べておけ」
「…っはい」
本当に楢崎さんは優しい。
そして、ダメ人間にならないような優しさをくれると思う。
実際、何かしら食べろとしつこかったのに、こうやって一口だけしか食べてないのに、褒めてくれる。
それを当たり前だと思ったら、ダメ人間真っしぐらなんだと思うから、僕も気をつけよう。
「ご馳走様。美味しかったよ。ありがとう」
「お粗末様です。よかったです」
自然と吐き気は治って、ヨーグルトだけは全部食べられたから良かった。
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