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呼び名と敬語 03歩 side 侑李
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風呂から上がると、柚月は自然と俺の隣に座ってきた。
「眠くないのか?」
「すごく、眠い」
柚月は俺の片腕を両手で掴んで、猫のように頬をすり寄せてきた。
今日は色々ありすぎだったし、寝不足だろうから仕方ないんだろう。
「ベッドで寝てきていいぞ?」
「んー…もう17時…。今寝たら、夜に眠れなくなるから寝ない…」
そう言いながらも、瞬きはゆっくりになってきて、今にも寝そうだ。
「明日は休み?」
「うん、講義もバイトもない…。まあ、バイトは、もともと入ってたんだけど、いおくんが僕を休ませるためって代わってくれたの」
会ったことはないが、いおくん優しいな。
七瀬くんといい、いおくんといい、柚月はバイトのメンバーに恵まれていると思う。
「じゃあ、ちゃんと休まないとな。一時間半くらい一緒に寝ようか。夜中眠れなかったら、散歩にでも行こう」
「侑李さんに、迷惑じゃ…」
不安がらなくていいのに。
弱気できたり強気できたり、忙しい恋人だな。
「迷惑じゃないからな。よし、ベッドに行くか」
俺は不安そうな顔をする柚月をお姫様抱っこでベッドへ運び寝かせてから、自分も隣に横になった。
「んー…。侑李さん優しい…。暴力しないし…。僕の傷付くこと、しない…よね」
ゆっくり瞬きをしながら、そんなことを言う柚月に、心が痛む。
「それが普通だからな。ほら、寝ろ」
布団を掛けて、寝るのを催促すると、柚月が俺を見つめてきた。
「ねえ…」
「ん?」
「侑李さん…ぎゅってして…?」
そしたら寝るから、と柚月は可愛いお願いをしてきた。
「ふっ。本当に可愛い」
お願い通り抱き締めると、柚月も恐る恐る腕を回し、抱き締め返してきた。
「ありがと…」
「んーん」
しばらくすると、柚月は眠りについた。
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