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男の子の恋愛事情 02歩
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「今日は野菜炒めとわかめスープ作った」
「美味そう。ありがとう」
「いえいえ。じゃあ、いただきます」
「いただきます」
手を合わせて、食べ始めた。
僕はご飯は食べずに、作った量の四分の一の野菜炒めとわかめスープのみ。
僕が少ない分、侑李さんの分が多くなるけど、侑李さんは普通に食べてしまう。
「美味いよ。ありがとう」
「よかった。どういたしまして」
簡単なものでもこうやって褒めてもらえるのが嬉しい。
本当に侑李さんは優しいと思う。
こんなに優しいんだ。侑李さんはモテるはず。
侑李さんの今までの恋人のことは知らないけど、それなりにいそうだな。そして美人が多そう。美男美女カップル、みたいな。
僕なんかこんなちんちくりんだし、男だし、今までの人なんかに勝てないと思う。
まあ勝てるとしたら、淫乱さとネガティブさというマイナス要素だけだろうな。
ご飯を食べ終え、並んで座ってテレビを見ていると、侑李さんが部屋の時計を見て口を開いた。
「もう出るか」
「うん」
僕の出勤時間まではゆっくり寛いで、その時間になると二人で家を出る。
侑李さん家の帰り道にバイト先があるから、一緒に歩く。
僕はこの時間が意外と好きだったりする。
未だに嫌な扱いをされるから、いつもは呼吸が苦しくて、行きたくなくなる。
だけど、侑李さんがこうやって一緒に行ってくれるから、バイトを頑張ろうと思える。
「今度の金曜のバイトが終われば土日何もないから、侑李さんとデートしたい」
「そうしようか。バイトが終わったらおいで。起きているから」
「ありがとう。楽しみ」
今度のデート楽しみだなあ。
天気が良ければどこかに出かけたい。
「嬉しそうだな」
そう言いながら、侑李さんも嬉しそうに笑う。
「嬉しいの」
そんな侑李さんと、影でこそっとキスをした。
あと三日頑張ろう。
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