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こんな僕でもいいですか 03歩 side 侑李
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…柚月が風呂から出てこない。
呼ぶと返事が返って来るからただの長風呂なんだとは思う。
“ただの”と思うのは変か。何か意図があって長風呂なんだろう。
『触らないで』と言うようになった理由でも説明されるのだろうな。
しかし、もう二時間も経っている。だから朝食を作ったつもりが時間的に昼食になりかけている。
それを紛らわすために布団を干したり、シーツを洗濯して干したりしていたけどそれでも出てこない。
本当に腹が減った。
結局柚月が出てきたのはそれから一時間後だった。
申し訳なさそうにリビングの扉から顔を覗かせてくる。
「ごめんなさい。シャンプーもボディーソープも切らしちゃった」
「は?…そんなに入ってなかったっけ?」
どれも最近補充したばかりな気がしていたが、それは歳のせいか…?
いや、まだ若いからそんなことはないはずだ。
柚月と付き合い始めてから“おじさん”と言われるようになったせいで、歳のせいとか考えてしまった。
柚月にとって五歳さというのはそんなにも大きいのだろうか。
それならば年の差の大きい妹の美桜(みお)と弟の紫苑(しおん)にもそんなこと言われたことないが、そんなことを思われていそうで怖い。
『お兄ちゃんっておじさんだね』なんて言われた時にはショックで立ち直れなさそうだ。
…今考えるのはやめよう。
美桜たちのことを考えるのは一旦止め、柚月のことにまた集中した。
「僕が全部使ってしまったの。あとで買いに行くね」
「それはいい。どうせ夕食の買い出しに行くから序でに買ってくる。スープ温めるから少し待ってろ」
不安そうな表情をしている柚月に本当は抱きしめるなりキスするなりしたいが、“まだ”拒否されているから我慢して、朝食兼昼食の準備をした。
その間、柚月は無心で外を眺めているようだった。
あまり緊張などしない性格なのだろうか。
それとも……いや、違うな。柚月が俺のことを好きだというのは態度で分かるし。
“おじさん”呼びも、ちょくちょく失礼なことを言ってくるのも、可愛いことしてくるのも俺のことが好きだから。
恋人が初めて出来て、接し方などすることなどが分からないから、自分なりに考えて接してくる。
そういうところが愛おしくてたまらない。
そんな恋人を俺はどうやって守ってやればいいのだろうか。
外を見ている柚月を見ながらそんなことを考えていたせいで、鍋が吹いていることに気付かず、熱すぎる
スープになったことは言うまでもない。
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