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副会長2
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慌てて職員室を出ると廊下の壁にもれかかり、小さくて女の子みたいな男の子達に群がられてる白鳥さ、…いや、敬太さん。
アレに話しかけるのは中々勇気がいるなあ。関係ないなら素通りしたい。目立つの苦手。
てかやっぱり敬太さん人気者じゃないか。これは絶対熱烈なファンクラブがあるぞ。
「白鳥せんぱぁいに休日に会えるなんて光栄ですぅ!」
「新入生歓迎会の準備でお疲れ様でぇす!」
うわぁ、めっちゃきゃぴきゃぴしててついていけない。女子かっ!ここ男子校だよな!?
だがそうか、新入生歓迎会があるから敬太さんはあんなに隈があったのか。
敬太さんの顔を確認するとかんっぺきな愛想笑い。眼が少しも笑ってなくて逆に怖い。
早く助けたい。あんな状況、俺だったら嫌だし。まあ一生縁がないだろうけど、
…勇気を出して、頑張れ!俺!
「白鳥さん!」
俺の声が聞こえたのかどこか安心した顔をした敬太さんにキュンとした。本当に困ってたんだ。
きゃぴきゃぴさんたちの視線をできるだけ気付かないフリをして話しかける
「遅くなってすいません!ご案内は大変だと思いますがあと理事長室までご案内させて頂けませんか!!新入生歓迎会の準備で白鳥さんはお疲れのようですし、どうか早く身体を休んで欲しいです!」
深々とお辞儀をして周りの声を聞く。何あれ、何様という声が大きかったが取り敢えず一刻早くここから立ち去ることが先決だ。
「藤城くん、気遣いありがとうございます。では理事長室に案内しますね。
君たち、そんなに私の周りで煩く騒いでる体力があるならもっとしっかり自分の仕事をしなさい。わかりましたね。」
高い声で返事をする様子は犬のチワワだ。きゃぴきゃぴできゃんきゃん、絶対合わないタイプだと思った。クラスメイトでこんな子がいたら表面上だけ付き合おう。なるべく近づきたくない。
「真寿くん、その、…助かりました。煩くて適わなかったので。まあそもそも貴方が早く出てくれば良かったんですがねっ」
「本当すいません、養護の院上先生と少し話をしてしまって。院上先生、男なのにあんなに綺麗でびっくりしてしまいました」
「…院上先生、ですか?あんなオカマ、どこか綺麗なんだか。私は嫌いです。」
「そうですかねえ?自分の魅力を分かっていて可愛く仕草をしてくる所が小悪魔っぽくて可愛いと思いますよ俺は。分かっていても頷いてしまいそうになる」
セクシーでキュートの両方ある人なんて早々いない。
さり気なく持ってもらっていたお菓子を返してもらう。
「真寿くんは、あの、オカマみたいな、人が、タイプなんですか?」
一区切りごとに切って強調してくる敬太さんがちょっと可愛いと思った。そして、もしかしたら距離が縮んだのかもしれない。嬉しいなあ
笑顔で否定しよう。よく知らないけれど敬太さんは院上先生が得意ではないのかな
「いえ。俺のタイプは好きな人なんで特にそう言うのはないんです。あー、でも、こういう人を恋人にしたいって言うのは一応あります。」
「どんな人ですか?」
どこか興味津々に聞いてくる敬太さんの行動は良くわからないけど、周りに俺に見たいな変な男はいないのかな?
「自分の意見があって、それをちゃんと人に言える人ですかねー」
「…それって普通じゃないですか、」
「ええ。でもそれは意外と難しいし、簡単ではないから。ちゃんと言える、…敬太さんみたいな人は俺は好きですね」
正直に言った自分に心の中で褒め、笑顔を作った。見る見る顔が赤くなって敬太さんが可愛い。好意を直球で言われることに慣れてなさそうだ。
理事長室の扉を見つけ、入る前に立ち止まる。
そう言えば職員室の隣が校長室で、取り敢えず少しでも早くあの場から退きたかったので一旦理事長室に挨拶に来たんだ。あのまま俺が校長室までも寄っていたら敬太さんの笑顔は消えていたと思う、大袈裟だけど。
「白鳥さん、理事長室に着きましたし案内は終わりですかね?」
校長室は職員室の隣だから道のりを戻ればいいだけだけど、自分の空間把握能力がかなり低いから大変だろうな。今さっきの来た道を帰ることが中々できないんだもんなあ。つまり方向音痴ということなんだけど。
「…そんな悲しい顔をしないでください。寮まできっちりと送っていきますよ」
ほっと安心したところで理事長室の扉を叩いた。
「それならよかった。」
迷子になる確率がなくなったことを言うのは失礼だから言わない。
理事長室から返ってくる応えで扉を開ける。
「久しぶり、真寿」
「お久しぶりです。樹貴叔父さん」
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