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木下英司×山内徹
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制服のポケットで携帯が震える
取り出して見るとディスプレイには徹の名前
何だか今は話したくなくて、携帯をそのままポケットに仕舞った
何度も震える携帯は、授業開始を知らせる鐘が鳴り始めた時に止まった
俺は教室に戻らず、保健室に向かう
「具合悪いから休ませて」
そう保健教諭の梅田に言ってベッドに潜り込む
「ただ眠いだけだろ、1時間で追い出すからな」
そう言って梅田はベッドサイドのカーテンを閉めた
別に眠いわけじゃない
今は徹に会いたくない
だから教室には戻れない
俺は手の甲で視界を遮り、静かに目を閉じた
「…司…英司…英司ってばっ」
「……ん……」
バシバシと枕を叩かれ、目を開けた
目を開けると心配そうに顔を覗き込む徹がいて
「具合悪いって? 大丈夫か?」
「あぁ…ただ眠かっただけだから大丈夫」
「そっか? さっき梅田が英司が具合悪くて寝てるって起こしても起きないから様子見に来いなんて言うから、起きれないほど具合悪いんだと思った」
俺は梅田に視線を向けると、梅田は涼しい顔で煙草を咥え
「1時間で追い出すって言っただろ」
そう言って片眉を上げて意地悪そうに笑った
俺はベッドから降りて、上履きを履き
「徹、行くよ」
と、徹を連れて保健室から出る
「あ、英司、五月に話した?」
「あぁ、さっき話した」
「なんて言ってた?」
「佳奈に聞いてからメールくれるって」
「そっか」
ポケットから携帯を取り出した俺は、メールを確認する
五月から「OKだって」と、メールが届いていた
「メールきてた、OKだって」
「マジ?」
そう言って、パッと俺を見上げた徹の顔は本当に嬉しそうだった
「良かったな」
俺はまた心にもない事を言って、作り笑いをした
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