アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
初めての
-
買い物を済ませた僕たちは来た道を戻って僕の家へと向かった。
未だに何を話せばいいのか分からなくてチラチラと空野さんの様子を伺っているけど…空野さんはとても嬉しそうな顔をしていた。
「…どうかしたか?」
「…いや…何か、いい事あったんですか…?」
「…え?」
「…笑顔、だから……。」
僕のその言葉で空野さんはまたニッコリと微笑んで“そんなに顔に出てたか?”と聞かれたので僕はまた小さく頷いた。
「いやー、何か嬉しくてさ。」
「嬉しい…ですか?」
「…うん。悠希の…あ、ごめん。」
「…え?」
「また呼び捨てしちゃったから…。」
だから僕を苗字で呼んでいたんだ。
この前名前を呼ばれた時はすごく嬉しかった。
今も…嬉しかった。
「…いいですよ、呼び捨て……。」
どう伝えればいいのか分からない。
でも、呼び捨ては嫌じゃない。むしろ、呼び捨てされたいなんて思っている自分がいた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
95 / 225