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昔の悠希
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高校3年生も今までと何ら変わらない生活が続いた。
暴力、笑顔、バクバク。
この3つの単語で僕の全てを語れそうな程…。
毎日のように続いた暴力。
背中だけだった痣は腕や足にもできた。
それを隠すように長袖、長ズボンを毎日着る。
夏も、冬も……。
高校は制服だから半袖を着ずに長袖を着て、体育は半袖の上から長袖の上着を着た。
みんなからは“暑そー。”とか“脱げよ。”とか“暑くないの?”とか言われたけど、寒がりで冷え性という嘘で通した。
いつ……いつになったら僕はこんな日々から抜け出すことが出来るのだろうか…。
日々の暴力に疲れ始めた…。
ボロボロになり始めた…。
それなのに家出をしようとは思わなかった。
この時、お母さんの気持ちがわかった気がした。
どれだけ嫌でも家出をすることはできない。
お母さんが好きだから……。
嫌いなはずなのに、大好きだと思っている自分が心のどこかにいるから……。
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