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☆ホワイトデー☆ 2 ~愁&咲~
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器用な2人が作るので、意外とゴタつかなかった。
颯人に言われて、手順通りにしていく。
手際よく卵を割りかき混ぜ、砂糖とバターを入れる。
滑らかになるように混ぜていると、突拍子も無いことを颯人に聞かれた。
「愁は咲と一緒に寝てて、ムラムラしないわけ?」
颯人にしては言い方を、オブラートに包んでくれたのだろう。
「…今、その話をするの?」
苦笑いをしながら、愁は颯人を見た。
「咲がいないから、今のうちに聞いとこうかと…」
颯人の顔が少し曇っていたから、からかいではないことを悟った。
だから、素直に答えた。
「ムラムラは…するけど」
恥ずかしそうに言う愁に、颯人は言った。
「俺は身体を繋げてないと、不安だから…羨ましい」
小麦粉をふるいながら、颯人は淡々と話す。
「…茉莉は、どこにいても絶対モテるから」
「でも、茉莉先生は颯人しか見ていないでしょ?」
咲が羨ましがっていた。
自分達には無い、オープンに相手の事を好き合っているはずなのに。
「俺が、人前でも2人きりでも全然デレないから、その内飽きられる…」
颯人なりに、悩みがあるらしい。
婚約者になっても、相手の事を思いやれる親友に愁は言った。
「そうかな?颯人が好きになった人ってそういう人?」
「違っ!違う…」
愁は、ニコッと微笑んだ。
「難しいけど、こういうことって人によって違うから、颯人のペースで良いんじゃないかな?俺が人に言える立場じゃないけど」
「いや、気が楽になった。愁、ありがとう」
颯人が小麦粉をふるい終わり、小麦粉が入っている容器を片付けようとしたら手に引っかかっていた。
容器の中には、沢山の小麦粉が入っている。
颯人が慌てて容器を掴んだが、体勢が悪くてよろける。
「わっ!」
「っ!颯人!」
小麦粉の容器を落とさずに抱えた。
愁は、そんな颯人の身体を支えた。
「セーフ」
颯人がホッとする。
「小麦粉を撒き散らさなくて、良かったね」
(良かった!颯人を支えられて)
せっかく吹っ切れた颯人なのに、怪我をしたら元もこうもない。
茉莉が今度は悩む番になってしまう。
パシャッ
安堵している2人に向かって突然、シャッター音が聞こえた。
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