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☆ホワイトデー☆ 15~愁&咲~
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手を繋ぎ、廊下を歩きながら気づく。
「…そういえば、誰から行くの?」
咲が愁に聞く。
「勿論、天からかな」
「天ちゃん?」
咲の幼馴染みから、と言われ首を傾げる。
確かにお世話になっているが、それは自分だけだと思っている。
「愁…天ちゃんにお世話になってるの?書記だから?」
(そうだとしたら、生徒会の会計で同級生のなっちゃん先輩が先じゃないかな?)
「咲の事を独り占めしているから、かな」
「?」
天が咲に対して過保護なのは、今もずっと変わらない。
多少、愁に対して風当たりが強いので口を酸っぱくして注意をするのだが、それが逆効果だと咲はまだわかっていなかった。
「…天ちゃんには、もう1回注意をしておくね」
申し訳なさそうに咲は言うが、愁は苦笑する。
「いいよ、咲の近くにいた天の位置を、俺が奪ったわけだし」
「天ちゃんは家族だよ?」
「うん、家族なんだけど…咲の隣という空間に、俺が突然入ったっていうのかなぁ」
申し訳なさそうに愁は言うが、『家族のような付き合い』と『恋人としての付き合い』では、月とすっぽんだ。
「愁は天ちゃんの事、好き?」
「咲に思っている、好きでは無いけど」
その言葉にホッとする。
天のことを、嫌いだと言われたくない。
勿論、恋人としての自分よりも好きと言われたくない。
(…やきもち、妬いちゃった)
それがわかったのか、愁が足を止めた。
「咲?」
愁の手が、咲の頬に触れる。
「な、何でも無いっ」
慌てて言うが、口調と顔で動揺しているのがわかる。
「…好きなのは、咲だけだよ?」
いとおしむように、撫でられる。
「…はい」
ぷしゅーっと、顔から湯気が出てしまう。
恥ずかしくて、愁の胸に顔を埋めた。
(愁が、天ちゃんのことを真っ先に考えるから…ちょっと疑って、ごめんなさい…)
頭を撫でられながら、咲は思っていた。
と、後ろから…
「か~い~ち~ょ~!!!!!」
天が走ってやって来た。
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