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ショートストーリー ~あけましておめでとうございます~
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愁は紋付き袴、咲は振り袖姿で、仲良く隣に立っている。
「皆さん、あけましておめでとうございます!」
「あけまして、おめでとうございます」
「えっと…愁、ここでは何を話していいのかな?」
困り顔の咲が、愁に聞いた。
「何でもいいんだよ」
そう言うと、愁は優しく咲の頭を撫でる。
「えっと…えっと…そういえば、年始めって抱負を言うよね」
「そうだね。目標に向かって、1年を過ごすこともあるね」
「じゃあ…今年は愁と、もっとラブラブしたい!」
咲は勢い良く言ったら、予想していない言葉が返ってきた。
「今から、ラブラブする?」
「えっ?!い、今?!!」
「…初詣で、お参りしてから?」
「えっと…、両、方…」
咲はパニックで『両方』と答えてしまう。
「両方?」
「い、今から。これからも、ずっと…。駄目?」
一生懸命に考えて言えた言葉に、愁は嬉しそうに笑う。
「ごめん、意地悪な言い方だったね。俺も咲を独り占めにして、ラブラブしたかったから」
「っ!!!!!」
咲の顔が一気に真っ赤になる。
「お願いします!」
「こちらこそ、お願いします」
お互いの言葉に、お互いが笑う。
愁が身体を屈ませた。
咲はそれに答えるように、そっと顔を上に向けた。
静かに唇が重なり、幸せな新しい一年が始まるのだった。
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