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プロローグ 1
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ピンクの淡い色の桜が満開になろうとしている季節。
雨宮 咲(あまみや さき)は幼馴染みと共に、高校へと入学する当日の日。
桜並木を歩いて進むと、大きな建物が見える。
全体の土地面積がどのぐらいあるのかは、建物が多すぎるし広すぎてわからない。
全寮制高校なので見渡しても端が見えない程の大きさで、その圧迫感に潰されそうになりながらも、ここで3年間を過ごすのだと改めて気を引き締める。
「天ちゃん…」
横に並ぶ幼馴染みを呼ぶ。
“天ちゃん”と呼ばれた少年は自分よりも少し背の高い眼鏡をかけた高城 天(たかぎ てん)で、家も近所で家族ぐるみの長い付き合いだ。
自分は人よりも言葉で伝えるのが苦手だけど、天はそんな自分を可愛がってくれていた。
また、色々な体術を段で持っていたりと見た目とは程遠い特技だが、そのお陰で守ってくれたりしてくれる、とても心強い味方だ。
そういう自分は…男なのに、かわいらしく、華奢で頼りない容姿なので、何回も誘拐されたりしていて、その度に天に助けられていた。
そんな自分の声に不安の色が出たのか、天は安心させるように返事をした。
「咲、大丈夫だよ」
その言葉に安堵のため息をついた。
そして…
「うん、行こう」
こうして、全てが始まる学校の校門に足を進めた…。
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