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寮の同室者 1
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寮に着き、颯人が入り口に自分の名前の札が掛かっている壁を指差し、ひっくり返す。
そして颯人は、咲の分も札をひっくり返した。
「寮生活で必ずする事は、自分が部屋にいるかどうかわかるように、この札をひっくり返すこと」
「はい」
「出かける時、外出する時は必ず届け出を出すこと」
そう言うと、颯人は寮の中に入ったので慌てて後を追う。
「1階には、共用スペースと娯楽室、食堂、応接室、大浴場がある」
颯人は歩きながら説明をしてくれた。
「寮の部屋にはランク別になってる。S、A、B、C、Sは会長と姫の部屋…」
「い、一緒に住むのですか?」
あまりの事に驚く。
「あー、まだそこまで説明出来てなかったのか…」
「は、はい」
「生徒会長と姫は、片時も離れることは無い。会長と年の差があっても、会長が卒業して大学に行くとしたら原則、姫も卒業で同じ大学に行く事となる」
「…いつも一緒という事なんですね」
颯人は頷いた。
「で、Aは生徒会役員、Bは特待生で今の雨宮もここで生活する。Cは一般入学でここだけ4人1部屋でバス、トイレ、テレビが共用。2階、3階はBとCで4階にS、Aの部屋がある」
エレベーターのボタンの3階を押した。
「ちなみに雨宮は3階だから」
「はい」
なんだか頭が混乱してしまいそうな感じだ。
エレベーターが3階に着くと、何やら騒がしい。
颯人は近くにいた生徒を捕まえて、聞き出した。
「どうした?」
「あっ!!副会長、それが…新入生代表が…」
新入生代表?
「天ちゃんが、どうかしたんですか?」
咲は慌てて聞いた。
「部屋割りに文句があるとかで…」
急いで輪の中に近づく。
「何で俺と咲が違う部屋なんだ!!」
荒々しい天の声が廊下に響きわたる。
「天ちゃん?」
咲が天の目の前に出た。
「咲!!」
(…この騒ぎで、ギャラリーが多すぎる)
颯人はチッと舌打ちをしてから、廊下にいる生徒達に聞こえるように大声で叫んだ。
「何の騒ぎか知らないが皆、部屋に帰れ!!」
颯人が一喝をし、野次馬な生徒が渋々と部屋に帰る。
残されたのは、天と咲と颯人と…たぶん自分達と同じ新入生だろう。
颯人よりも背の高い、スポーツでもしてそうな男子が天を見てシュンと小さくなっていた。
「…どうしたの?天ちゃん」
今の状況が全くわからない。
そう思って天に事情を聞こうとしたら、後ろから声がした。
「颯人?」
部屋に帰る生徒の波とは逆方向のエレベーターの方から、茉莉が近寄ってきた。
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