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3日目 3
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1時間もかからずに、咲の採寸は終わった。
「ありがとう」
颯人はお礼を言う。
「いえ、お役に立てるのなら…」
「疲れているところ悪いけど、コーヒー入れて愁に声かけて休憩しようか」
颯人は時計を見ながら言った。
「はい!」
ポットの置いてある机に向かう。
昨日、愁に言われた通りに水道の水を出しっぱなしにしてから、ポットに水を入れているとドアが開き、茉莉が入って来る。
茉莉は、咲の姿を見て声をかけた。
「お!咲、来てたんだ」
「はい」
颯人が新しく見るコップを、棚から出してきた。
「これが茉莉ので、これが俺の。咲も自分のコップが他にあるなら、ここに置いていいよ」
「はい」
「…愁は、また休憩無しか?」
茉莉が颯人に聞く。
「お昼は無理やり食べさせた。部屋まで書類を持って来てるし」
颯人は、はぁ…とため息をついた。
茉莉は、うーんと唸る。
「…前の会長が、ダメダメ君だったからなー。そいつが置いてったのと、今期の生徒会のも処理するのは大変だよな」
「なら、茉莉も手伝ってよ」
颯人が言う。
「…手伝って欲しいの?」
茉莉は颯人の頬に右手を伸ばす。
左手で颯人の腰を抱き、自分の方に引き寄せた。
じっ、と見つめあう。
「…茉莉、咲がいる」
颯人がちらりと咲を見た。
茉莉から、ただならぬ妖艶な雰囲気に咲は硬直していた。
「お~悪い!これから先は、大人の時間だからな」
茉莉は笑いながら颯人から身体を離した。
「いえ、すみません…」
咲の方が羞恥で顔が赤くなる。
(ん?なんか、ただならぬ空気が、茉莉ちゃん先生と颯人先輩から感じる…のは気のせいかな?)
「いや、謝るのは茉莉の方だから…」
颯人に言われて、茉莉は素直に謝った。
「ごめんね」
「バツとして茉莉は、無償で手伝うこと」
颯人に言われて茉莉は笑った。
「ふふっ、颯人は手厳しいな。わかった、降参」
茉莉は両手を耳に近づけて、降参ポーズをとった。
お湯が沸き、咲はコーヒーを入れる。
「さて、どうやって愁を呼ぶか」
颯人が困った顔をした。
だが、茉莉は咲を見てニヤッと笑った。
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