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天と言い争い 1
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食堂に行き、天は咲に聞いた。
「どれを食べる?」
「…C定食かな」
天が食券を出す。
天はA定食を頼んだ。
「あら~!食べに来たね!!」
竹子が天と咲に気づいた。
「今日は、これだよ。嫌いなものはないかい?」
定食の材料の表を見せられる。
「大丈夫です」
「俺も大丈夫」
「今、出すわね!」
厨房は大慌てだった。
それでも少し待っただけで、2人の定食が出来て目の前に出される。
席に着いた。
大弛はバスケ部で忙しいらしい。
定食を半分食べたぐらいで、天が口を開いた。
「なぁ咲、もういいんじゃないのか?」
何の事だろうか…。
「天ちゃん、何が?」
「生徒会」
(どういう意味?)
天が言おうとしていることが、わからなかった。
「1日で、お手伝いを辞めるって言うの?」
「咲は優しいから、断れないだけだろ?断ったっていいんじゃないのか?」
(優しいのは、愁先輩の方だよ…)
咲は首をふった。
「僕がお手伝いをしたいから、しているだけだよ」
突然どうしたのだろうか。
昨日は手伝ってもいいと、言ってくれたのに。
天はさらに言った。
「手を繋ぐ事も、咲のいう手伝いか?」
咲は顔を赤くした。
天は、いつから見ていたのだろうか。
「…あれは、お手伝いじゃないよ」
「じゃあ、何」
「…」
(何って…)
「手を繋ぎたかった、から…」
愁本人が天に言ってもいないのに、愁の事情を話す訳にもいかない。
咲は、自分の感情で手を繋いだ事にした。
(…実際に、そうなった訳だし)
「じゃあやっぱり、辞めたらいい」
天は、黙々と定食を食べていた。
「どうして?」
「咲は、わからないだけだ」
(いつだって、そうだ…)
天は咲にとって危険な事は排除してくれ、安全な所を用意して守ってくれる。
(天ちゃんが決めている安全な所にいるだけの『咲』は、もう嫌だ)
「…嫌だ」
天に意見を言った事は、仲良くなってから1個も無かった。
(これだけは譲れない!!)
愁を想う気持ちを天にだけは、わかって欲しかった。
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