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天と言い争い 3 ~天side~
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嫌な空気が流れた。
ここに大弛がいない事がどれ程、悔やまれたかわからない。
周りの声がうるさい。
(クソッ、あのバカ犬がいないばかりに!)
完全な八つ当たりだとはわかっていたが、当たらずにはいられない。
(咲が、俺に反抗した!!)
いままで、1度も無かった。
高校に入った途端に、姫候補として今度は学校全体から興味を持たれる状況なのに。
(なんでだよ!!)
わからない。
危険な事は排除すべきだ。
天は咲を見た。
いままで見たことのない咲が、目の前にいた。
ただ言えるのは…自分を必要とされていない事。
(っ!)
不安で仕方ない。
最善の道を教えてあげても咲はこの高校に入ってから、どんどん違う道に行きたがる。
昨日、今日で何があった?
生徒会?
会長?
ハッと、天は気がついてしまった。
咲が自分から離れていく、この状況…。
「…咲、まさか」
と言いかけた瞬間。
誰かに声をかけられた。
「姫はやっぱり、生徒会長様の下の世話してるんですか~?」
「俺達もお願いしますぅ」
上級生だったが、天は睨んだ。
ただでさえ、今は咲と話さないといけないのに邪魔をされたからだ。
だが相手は怯んではいたが、それでもしつこく言ってきた。
「恋愛自由でしょ~?」
「君の事、好きだからヤろーぜ!」
下品な笑い声が響く。
「チッ」
(頭の悪い奴らだな)
これがあるから、咲に姫になって欲しくない。
興味本位で咲を傷つける奴らから守ってやるのが、自分の与えられた事だと決めていた。
「あれ?よく見ると、こっちの睨んでいる子もかわいいな」
(誰でもいいのか、コイツら!!)
周りは遠巻きに見ているだけで、何も言って来ない。
(殺るか…)
天は立ち上がって、拳を強く握った瞬間…。
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