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4日目 4
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白と黒しかない風景に、弱々しくも見えている光が徐々に強く感じられた。
まるで道標のように、咲のいる所に案内されているみたいだった。
(ずっと色が見えなくて、他の人と違うと思っていたけど、いつも何故自分だけなのか知りたかった)
家族に自分と同じ症状が出ている訳でも、まして病気でもない。
色が抜けている世界でも、生きる事は出来るし何も不自由はないと思っていた。
時々見える色はあったが、咲から感じるあの鮮やかさはない。
いつも通り、また自分の前から色が無くなっても仕方ないと思っていたが…咲は違う。
本当は姫制度も自分の会長の代では、『無し』にしようと思っていた。
でも写真を見て、入学式の前に会って考えて直している自分に驚いた。
諦める事に慣れていたのに、側にいて欲しいと強く願ってしまった。
(咲!)
いままで生きてきた中で、一番必死になっていた。
(咲っ!!)
2階の一番奥の教室の視聴覚室、そこから咲の光が強く感じた。
愁が来る15分前…
2人に囲まれる様に、視聴覚室に連れて来られた。
(…ここ?)
「困った事って、なんですか?」
とにかく、自分を呼んだ理由が知りたかった。
困った事さえ解決出来れば、すぐに解放出来ると思った。
「…中に入ってよ」
ドアを開けて促された。
視聴覚室の中には、人はいなかった。
「もう少し、奥に入って」
入り口付近で止まると背中を押された。
咲は仕方なく奥に入った。
2人は入り口を塞ぐ様に入り、ニヤニヤしながら咲を見ていた。
(…あっ)
ゾクッと寒気がした。
それは昔、何回か味わった嫌な空気。
徐々に近づいて来る2人組に、咲は後退りでどんどん奥に行ってしまう。
「あの!それで…」
「あぁ」
やっと口を開いた。
「俺達さぁ、ここ苦しくてさ~」
1人が、自分の股間に指を指した。
「…」
「姫に、しゃぶって欲しいんだよね~?」
咲は咄嗟に長椅子の端まで走り、入り口に行こうとしたが相手は入り口近くにいるから、どう頑張ってもたどり着けなかった。
手を大きく広げて通路を阻まれた。
「待ってよ、俺達だけ気持ち良くなろうとはしてないって!」
「そうそう!あとで、姫にも気持ち良くなってもらいたいからさ」
そして思い出してしまった。
さっきの悪寒は、変質者にあったときの感じだった。
「…嫌です」
咲の身体が、恐怖で震えてくる。
「会長様には、やってあげてるんでしょ??」
「愁は、そんな事は言わないです」
愁の悪口には腹が立った。
「いやいや、だってさ~いつも一緒にいてヤることやってない会長様と姫はいないでしょ!」
「…昔の人達の事は知りません」
(怖い…何とか、ここを出ないと!)
「そう怖い顔しないでよ」
1人が咲の肩に手を置いた。
「離して!!」
咲は、恐怖で身を小さくするしかなかった…。
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