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6日目 5
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愁は天に言われた通り病院に行き、検査をしてきたが異常は無かった。
「茉莉先生、連日病院に連れて行ってもらって、すみません。助かりました」
「いいよ、何とも無かったみたいだし」
茉莉は、校門の近くに車を停めた。
「愁、咲に会えたか?」
「…いえ、まだです」
「高城と、和解は出来たのか?」
愁は首を捻った。
「和解…?書記になって欲しいと、話しはしました」
「…あ~、なるほど」
茉莉は愁が何故、天を生徒会役員に任命したのかがわかった。
茉莉の目線に、人影が見えた。
「噂をしてたら、咲だよ」
茉莉が愁にわかるように、玄関を指差した。
愁が玄関を見ると、寮の玄関から出てきた咲が見えた。
「~愁っ!!」
咲が、息を切らしながら走って来る。
「っ!咲!!」
慌てて愁は車を出た。
ドアを閉める前に茉莉に言われた。
「愁、もう感情を押し殺すなよ?」
「はい!」
咲は愁を見たとたんに、足に力が抜けて転びそうになった。
寸前で、愁が咲の身体を支えた。
「…愁っ、怪我…!」
咲は息が上がって、上手く話すことが出来なかった。
しかし、愁は理解をして答えた。
「刺された所は、大丈夫。検査で異常は見つからなかったし痛くないよ」
咲は愁に抱きついた。
「良かった!」
愁は咲の背中を、優しく撫でる。
(神様!ありがとうございます!!)
あんなに不安だったのに、愁が側にいてくれるだけでこんなに満たされる。
愁は自分に色々な物をくれた。
(僕は…何をしてあげられるのだろう?)
顔をあげると、愁の後ろの風景を見て愁に言った。
(これだ!!)
「愁!一緒にこっちに来て下さいっ」
咲は愁の手を握りながら、連れて行った。
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