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7日目 1
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学校内は慌ただしかった。
颯人と茉莉が、準備を進めていたから何とか今日という日に、姫就任式が出来るようになったからだ。
報道部がひっきりなしに生徒会室を出入りをして、愁と咲に取材をしていた。
「お2人の馴れ初めは?」
「馴れ…」
取材があるとは聞いていたが、ストレートに聞かれると恥ずかしくなる。
「俺の一目惚れです」
愁がサラッと答えている横で咲は、動揺が隠せずに顔を赤くしていた。
「会長の一目惚れ、ということですね!では、次にお互いの…」
容赦ない報道部の質問攻めに、咲はしどろもどろになっていた。
(ど、どう言ったら…。午後から就任式なのにっ)
膝に置いた手に力がこもり、手のひらには爪が食い込むくらい強く握っていた。
「咲」
そんな咲の両手を、愁の左手が上からそっと包むように置いた。
「愁っ…」
愁を見ると、安心させるように咲を見ていた。
(あ…落ち着いてきた)
そう思った矢先、愁が報道部の人達に言った。
「…すみません、午後からの就任式の準備があるので一旦終えていいですか?」
報道部の人達は時計を見た。
「あぁ!そうですね。では、写真の方を少しだけ…」
そう言って数枚写真を撮ってから、報道部の人達は生徒会室を出ていった。
「…大丈夫?」
愁が咲の手を握った。
「うん、愁のお陰で大丈夫だよ」
「いや~ラブラブだな」
報道部の人が出て行ったのを、遠くで見守っていた茉莉がこっちにやって来た。
「俺も颯人と、ラブラブしたいわ」
「すみません…」
愁が謝っていたが、颯人が服を持って来て言った。
「愁も咲も、茉莉の言うことは気にしなくていい。ここ数日は、これを仕上げるのに会う時間無かったし」
持っていたのは、咲の寸法で仮縫いしていた白い服だった。
「あ、それは…」
「こうなる事を予想して、作ってた」
広げるとシンプルだが、ハイネックとノースリーブのふわっとした…
「…これって」
見た目通りなら、この衣装は…
「ウェディングドレスだ」
颯人はハンガーにかけた。
「姫就任式と会長の卒業式に、姫はウェディングドレスを着ることになっている」
「これも、姫制度の伝統の中の1つなんだよね」
愁が言った。
「本当に颯人が服を作ってて良かったな。かわいいのが着れて」
「はい」
「咲が着替える前に…」
そう言うと、颯人は茉莉を見た。
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