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エピローグ 1
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桜の花が満開になった日。
この全寮制の高校で今日の午後から、姫就任式が行われようとしていた。
生徒全員が入学式と同じで、体育館に呼ばれた。
「姫が決まったって!」
「ウワサだと可愛いらしいじゃんっ」
「俺、見たことある!スッゲーかわいかった!!」
生徒達は興奮していた。
今の会長の愁が2年生だから、姫の咲も2年間活動することになる。
自分達の学校生活の活力になるかもしれないから、期待が大きい。
報道部と放送部と演劇部が総力をあげて、茉莉の指示に従った舞台は整った。
午後1時、予定されていた時間になりベルが鳴った。
「おっ、始まる!」
「静かに!!」
普段だと午後の授業を知らせる為のベルだが、今日は特別な音に聞こえた。
ざわざわしていた会場が、静まりかえった。
壇上には、誰1人いない状態から始まる。
そして、茉莉が壇上の袖から出てきた。
普段見られない燕尾服姿の茉莉の姿に、生徒達からは歓声が沸き起こる。
一部では、茉莉の色気にふらついている人もいた。
「これより、生徒会新規役員と姫就任式を始めます」
茉莉の落ち着いた声がマイク越しに響くと共に、愁が出てくる。
壇上に上がり、マイクの前に立った。
「今回、新たな役員が決まったので報告します。高城天くん、前に来て下さい」
天の名前が呼ばれ、天が生徒の列から返事をして壇上に上がった。
「高城天、君を生徒会役員の書記に任命します」
愁から賞状が渡される。
「…ありがとうございます」
天は頭を下げた。
「姫の護衛も兼ねて、頑張ります。力で捩じ伏せるのは得意ですので、皆さんも心に止めておいて下さい!!」
威嚇とも取れる発言に、生徒達はビクッと跳ね上がった。
2~3日前に、茉莉が寮で言ったことが実際行われた事例があるので、変な考えを持たないように牽制にも繋がる。
「じゃぁ、皆がお待ちかねの姫就任に行きますか!」
茉莉が砕けた感じで話すと、生徒からは地響きのような歓声が沸き起こった。
「これから少し時間をもらって、舞台を整えたいと思うけど待てる?」
「「「待てま~す!!!!」」」
図太い声が聞こえる。
演劇部員が中心となって、報道部と放送部の面々と共に作っていた祭壇を組み立てていく。
効果音のように、生徒全員が大声で色々な事を言っていた。
「待ってました~!」
「ひゅーっひゅーっ」
「俺も手伝う!!」
わーわーと叫ぶ。
数分後、収集がつかなくなってきた頃に演劇部部長がマイクで言う。
「茉莉ちゃん!準備が出来たよ!!」
いつの間にか、茉莉の姿は消えて声だけが聞こえた。
「後ろのドアに注目!!」
そう言うと、少し経ってからドアが開いた。
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