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エピローグ 6
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茉莉がみんなを静かにさせてから、マイクを咲に渡した。
「皆さん、時間ですので…では会長、一言どうぞ」
(えっと、愁はマイクを持つことが出来ないから…)
咲は両手を塞がっている愁に代わり、マイクを持つ。
そして、愁にマイクを向けた。
「咲、ありがとう」
愁はお姫様抱っこをしている咲に、お礼を言った。
「皆さん、本日は本当にありがとうございました!」
愁がお辞儀をする。
「私が会長として皆さんに、協力とお願いがあります」
愁は周りを見回した。
「2年間、会長として皆さんと楽しく学校を過ごしていきたいです。そのために、明日のテストを辞めます」
「「「お~っ!」」」
生徒達が、嬉しそうに声をあげた。
「やった~!!!」
「テスト無くなった~!!」
更に、愁は言った。
「姫としての咲の仕事の1つとして、各部活の訪問を検討しているので新入生の皆さんは是非、自分にあった部活に入ってみて下さい」
歓声が沸き起こる。
「部活に、姫が来る~!」
「やばっ、どうしょう」
愁はもう1つ、提案した。
「イベントもしていきたいと思っているので、皆さん全員が参加出来るようにアンケートの回答など、ご協力お願いします」
大きな拍手が聞こえた。
「じゃあ、次に…姫になった咲から挨拶してもらいます。どうぞ」
茉莉が咲を見て言う。
(…えっと、えっと)
咲が悩んでいると、愁が微笑んだ。
「咲、大丈夫。思ったことを言っていいよ」
「う…ん」
(僕が言いたいこと…)
咲は深呼吸をしてから、マイクを自分に向ける。
「えっと…姫になった、雨宮咲です」
歓声で、地響きが鳴った。
むしろ、さっきと違い鳴り止まない。
(えーっと…)
咲が困惑していると、茉莉が助けてくれた。
「お前ら、今年の姫が可愛すぎるからって興奮しすぎ。怖すぎて咲が話せれないだろ?優しく接してあげなさい」
そう言われて、生徒達は笑い声に変わった。
「姫!!可愛い♪」
「頑張れ~~~!」
茉莉の一言で、会場の雰囲気がガラッと変わった。
生徒達に人気があるのがわかる。
(茉莉ちゃん先生、ありがとうございます)
咲は心の中で、茉莉にお礼を言った。
「こういう事は、すごく不慣れです。不安も…たくさんあります」
咲は笑顔を、生徒達に見せた。
その笑顔で生徒達、先生全員は見惚れていた。
「皆さんに、僕が姫になれるお手伝いをして欲しいです。この姫伝統は、僕1人には大きすぎるけど皆さんと一緒なら、安心して出来る気がします」
咲は愁を見て、微笑んだ。
愁は、ずっと目線を咲に向けて微笑んでいる。
「…愁と、これからも一緒にいたいです」
それが、今一番に想っていることだった。
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