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ビッと首から胸元まで、レナードにシャツを破られる。
「な、なにを……? レナード様、おやめ、ください……!」
レナードへと伸ばした腕は簡単に振り払われて、半ば強引にうつ伏せにさせられた。
悟の理性がまだ残っていたのは、毎日服用しているピルの効能が僅かに残っているからであろう。しかし、レナードの出すフェロモンは、今までに感じてきたものとは桁違いで、奥の底からふつふつと何かが込み上げてきているのは感じ取れた。
身体を押さえ込まれて、身体が震える。レナードの動きはピタリと止まっていて、その短い時間さえも悟に恐怖を与えさせる十分な材料となった。
ふと、レナードが笑い始める。
「……なるほど。お前の檻はこれか」
「ひっ……!」
レナードの指先が触れたのは、悟の項。薄くなった噛み跡がある場所だった。
「Ωだった挙句、すでに番がいるとは……妬けるな」
「やめてください……やめて、くださ……」
前の時のように触れられるだけで、じゅっと焼け付くような痛みが伴う。それをレナードにねっとりと撫でられて、悟の目尻には生理的な涙が溜まった。
「サトル……」
熱っぽい声。吐息を近くに感じて肩を揺らせば、項に唇があたって。
「ひ、ぅ……! や、晴臣様、晴臣様……っ!」
甘い毒の侵入に、悟は無意識に助けを求めていた。
「ハルオミ……? ハルオミ・タカシマか……?」
レナードにとって、“ハルオミ”という人物はこの人物しか思いあたりがなかった。レナードが、その人物の名前を口にした時、震えていた悟の身体が面白いくらいにピタッと止まる。これが、悟の答えだ。
この瞬間、レナードの中に嫉妬と憎悪がますます渦巻いた。拳を震えるくらいに握り締め、それをソファーに打ちつける。
「笑わせるな。主と執事以上の関係はない、じゃなかったのか? 前の主人と、俺の違いは何だ!」
「っ……!」
「ハルオミは優しかったか? そうだよなあ、日本にいた時のお前は幸せそうに笑っていたいたよな」
「もうこれ以上は……レナード様……っ」
「まあ、いい……今はもうハルオミはいない。なら、奪ってしまえばいい」
そっと悟の喉にレナードの手が添えられ、首を支えられる。
「奪ってやる。お前の番はアイツではない。このレナード・ローウェルだ」
そして、レナードは悟の項をめがけて、跡を上書きするように噛みついていた。
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