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アルバートが身体を起こし、目を丸くする。
「レナード様……」
「何をしている?」
レナードも同じ顔をしていたが、すぐに眉間に皺を刻んで歩み寄ってくる。
ぶわり、と溢れ出るレナードのフェロモン。悟はそれを敏感に感じとり、心を震わせた。
「っ、申し訳ございません!」
悟から身を引いたアルバートは青い顔をしている。
悟の元にたどり着き、レナードはぐったりした悟を見下ろした。紅潮した頬に、とろんと潤った瞳。絶頂の余韻に浸る姿に、クスリと笑う。
「メイドからサトルが発情したと聞いて来てみれば、ずいぶんとお楽しみのようだな、サトル? アルバートの愛撫は気持ち良かったか?」
「違うんです、レナード様!」
慌てた様子でアルバートがフォローに入るが、レナードはそれを許さずアルバートをきつく睨みつけた。黙っていろ、と言わんばかりに威圧感を見出し、アルバートの入ってくる隙をなくす。
「サトル、アルバートが庇ってくれているぞ?」
ふわり、と舞う甘い匂い。アルバートには感じていないフェロモンが、悟の中へ毒のように侵食していった。身体は再び熱くなり、じんじん痺れる。
ふとレナードの手が悟の頬に触れて。その感触さえも気持ち良くて、悟は甘えるように頰擦りをした。
もう悟は、アルバートを見ていなかった。目の前に先程想像していたレナードがいる。それだけで頭の中がいっぱいになっていた。
悟の行動からそれを確信したレナードは、手を頬から項へ移動させる。
「まだ物足りないだろう? 奥が疼いて仕方がないという顔だな」
「あ、ん……」
すり、と噛み跡辺りを撫でれば、悟の身体へ小さな電流が走り色めいた声で鳴く。
「サトル。上手にキス出来たら、ご褒美に可愛がってあげよう」
その言葉に、悟は喜んで身体を起こして、自らの腕をレナードの首へ回した。
「サトルさん……」
アルバートの呼びかけに悟は妖艶に笑い、レナードへ口づけを開始する。
魔法にかけられているようだった。今、見ているのは誰だろう。今まで慕ってきた悟だろうか。アルバートは、この状況に困惑する。
「いい子だ。ほら、俺におねだりしてみろ」
その間に口づけは終わったようで、満足気のレナードと寄り添って恥じらう悟の姿があった。
「……さい」
「聞こえない。もっと大きな声で」
「抱いて、ください……レナード様」
どちらからともなく再び唇を交える。深いキスだ。ねっとりと舌を絡めて唾液が混ざり、ちゅ、じゅる、と卑猥な音が立って。
悟はこの深いキスで腰が砕け、体重をレナードに預けた。その行為にレナードがふと笑って、手で衣服を乱し、腰から侵入して肌をまさぐる。
「っ……!」
アルバートは息を呑んだ。レナードと視線が合ったからだ。その瞳は怪しげに細められて。
肌を触れたことによって、さらに顔を赤く染めた悟が見えて、もうこれ以上見ていられなくなったアルバートは、逃げるように部屋を出ていった。
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