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アルバートが出ていったことを確認し、レナードは悟を引き離す。
濃厚な口づけに夢中になっていた悟は、いきなり中断されたことに驚いた。
「ん、ぁ……なんで……?」
いやらしい手つきで肌に触れていた手も、今は悟の肩に置いてあって。このままセックスに雪崩込むような勢いがなくなってしまって、もどかしい気持ちが沸き起こる。
しかし、レナードは意外にも落ち着いている様子だ。
「薬は?」
「……あ、特効薬を、二日前に……でも、効かなくてっ」
焦れったい。この熱をどこかにやってしまいたい。
「そうか。確かに、俺が我慢出来るくらいにはフェロモンを出し切っていないしな。サクラに聞くべきか……」
「無駄です……これ以上のものは、出来ないと……言われました」
「と言っても、特効薬を連続で打つのは危険だしな。少しは効いているようだし、治まるのを待つしかないのか……」
もうそんなこと、どうでもいいのに。
もっといっぱい触って欲しい。キスして欲しい。奥深くまでレナードを感じたくて。
「っ……レナード、さま……!」
我慢出来ない、とでも言うかのように悟は吐息混じりの声を出し、レナードにすがりついた。
まだ微々たるものだが、悟のフェロモンがレナードへとまとわりつき始める。それだけでも、甘い蜜を出す果実となり、誘惑するには上等なものだ。
すると、レナードは小さく舌打ちをしてベッドのシーツを剥ぎ取り、悟へと被せる。そして、悟を引き寄せては姫抱きをして、
「……俺の部屋まで我慢しろ」
とだけ言い、自室へと足を向けた。
レナードが自室へ着くと、悟を椅子へ座らせる。
移動中、悟は大人しくしていたが、番であるレナードがそばにいることもあり、発情期の症状は悪化していた。そのため、少しの刺激だけでも「んっ……」と反応して、中に閉じ込めているフェロモンを少しずつ溶かして漏れだしていた。
ところが、レナードは悟を置いて机の中を探り始める。
置いてけぼりになった悟はこく、と喉を鳴らした。今までお預け状態で、まだこの状態を続けるつもりなのか。
パサ、とシーツが床へ落ちる。もう付き合いきれなくなった悟が後ろからレナードへと抱きついたのだ。
「触って……レナード様、お願い……」
すると、レナードは重い溜め息をついた。悟のほうへ向き直って、強く睨みつける。
「サトル。言っておくけどな、俺は怒っているんだ」
一旦、落ち着いていたように見えたレナードだったが。
「番の俺を拒んだ挙句、他の男を受け入れるなんてな……嫉妬で気が狂いそうだよ」
「ごめん、なさ……っ」
ほんの僅かの間で、悟の部屋に入ってきた時の、いや、それ以上のフェロモンを出し威圧感を醸し出した。
αの瞳だ。独占欲が強く、嫉妬心で燃えたぎる瞳。
「俺に触って欲しいなら、全部脱いでそこに座れ。拒否は受けつけない……やれ」
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