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それを表に出さないよう、悟はお茶をいれてレナードのところへ置く。夜なのでワインなどの酒類のほうを用意しようとすると、レナードから日本茶のほうがいいとリクエストを貰ったので、そのような形となった。
レナードは、悟のいれる日本茶がお気に入りだ。なので、レナードが訪れた時に出すのは、基本的に日本茶である。
だが、一回だけ、ケーキを出す時にそれに合うよう紅茶をいれてしまって、しょんぼりさせてしまったことがあった。その可愛らしい姿に、レナードの印象がガラリと変わったのを覚えている。
「失礼いたします」
「ありがとう」
すると、レナードが悟の手をとって、甲にキスをした。
「えっと、レナード様……?」
「なんだ、サトル?」
手袋越しであるため、唇の感触ははっきりとわからなかったものの、気恥ずかしいものはある。
最近、レナードからのスキンシップが増えたこともあるが、こういうあからさまなものは初めてで、悟はどうしたらいいのか対応に困ってしまった。それに、すっかり名前まで覚えられてしまっている。
そうしていたら、晴臣が助け船を出してくれて。
「何やってるの……毎度、ウチの子に手を出さないでくれる?」
目が笑っていないところが気になるところだが。
その間にレナードへ一礼して、悟は晴臣にお茶を出す。
「感謝の意だ。サトルの出してくれるお茶が美味しいものだからな」
「美味しいのは否定しないかな。けど、その下心丸見えな行為どうにかしてよ」
「わかりやすいだろう」
「ほんとに懲りないなあ」
さすがにお手上げだ、と晴臣は苦笑した。
それから、レナードは日本茶を嗜んで晴臣と軽く話した後、すぐに帰って行ってしまった。どうやら明日は朝が早いらしい。
嵐のような人。それは変わらなさそうだ。
「悟」
レナードが帰って応接間の片付けをしていると、それを見ていた晴臣が悟を後ろから抱き締めた。
「どうされましたか?」
悟が回ってきた晴臣の腕をポンポンと叩いて手を重ねると、
「んー? なんでもない……」
そのまま悟の肩に顔を埋めて、晴臣は低く唸る。
その様子から、拗ねていることは確かだった。それに、原因はレナードだということも。
こういう嫉妬が可愛らしくて、ふふ、と悟が笑うと、重ねていた手を捕らえられて。そして、そっと耳に熱い吐息があたり、悟の身体がピク、と反応する。
「ねえ、それを片付けたら部屋においで?」
「はい……」
晴臣が囁いている間に指を一本一本絡めとられて、いやらしく感じた悟はうっすら頬を染めていた。
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