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はあ、と熱っぽい吐息が漏れる。久しぶりの感覚に眩暈がした。すでに下半身は痛いくらいに膨らんで、なんとかフェロモンだけは抑えようと集中する。
だが、晴臣にバレるのは目と鼻の先で。
「あ、もちろん悟よりいれるの下手だけど……」
「んっ……」
愛しい声にさえも敏感に反応して、ひくんと身体を震わせる。
「悟?」
「や、見ないで……」
すると、不審に思った晴臣が戻ってきて悟は少しずつ後ずさった。
かっと顔に集中する血液。全身にドクドクと脈が走っているのが嫌でも感じる。
こんなはしたない姿を晴臣に見せているのだ。番になると決めた時、覚悟はしていたが、やはり恥ずかしいものは恥ずかしい。まだ何もされていないのに勝手に感じて、射精まで施しそうな身体をいっそ呪ってしまいたいくらいに。
「大丈夫? 薬は部屋にある?」
晴臣は、悟の前にしゃがみ込んで空いてる手を伸ばしてくる。片方は袖で鼻を覆っていた。
反射的にビクッと肩を揺らした悟は大袈裟に首を横に振る。
「だめ、です……晴臣様」
それ以上、近づくと……触れられると、フェロモンが溢れてしまう。
悟の瞳に涙の膜が張った。熱に侵されるのと、罪悪感と。
「けど……わかった。咲良呼んでくるから少し待ってて」
「晴臣様!」
しかし、晴臣が立ち上がろうとした時、悟に思いがけない衝動が駆け巡った。瞬時に晴臣へ飛びつき押し倒す。
悟の中でも、どうしてこうなったのかわからなくなっていた。もう耐えられなくて、ぶわりと甘いフェロモンが一気に流れだす。
「晴臣様……抱いて。いや、聞かないで……我慢、できなくて……だめ、晴臣様ぁ……っ」
「悟っ、フェロモンが……!」
本能と理性がぐちゃぐちゃに入り乱れる。
ぼたぼた、と溢れるままに零れる涙。その涙は晴臣の頬に落ちて下へ伝っていく。揺らぐ視界の中で、晴臣は苦しそうに眉を寄せていた。鼻を覆っていた手も今は悟が押さえているため、すぐ切れてしまう糸のような理性を残して闘っているのだ。
悟は荒い呼吸を繰り返す中で、こく、と唾液を飲み干す。
「晴臣様なら何されてもいい。俺を奪って……」
晴臣の胸元に埋もれれば、微かに晴臣のフェロモンを感じることが出来た。それだけで脳内は甘美に包まれて。更なる欲求が生まれて、背筋にビリビリと刺激が走る。
顔を上げた悟は、晴臣の顔へ寄っていく。
「俺を壊してください……」
そして、震える唇でそっと晴臣の唇を塞いだ。
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