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理想の…
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自分の家から片道電車で30分の所にある私立南芝崎高等学校今日からここに通うのだ。
余裕を持って登校した七海は校舎裏へ向かっていた。本当は校門付近に咲いてる桜の写真を撮りたかったのだが人がわんさか居て邪魔だったので、校舎裏の方に咲いていないか見に来たのだ。
しばらくすると、辺りがピンク色に染まった。
「枝垂れ桜にソメイヨシノ…こっちの方が綺麗じゃんか…」
ブツブツ呟きながら奥へ向かうと1人の影があった。
猫っ毛のふわっとした赤髪、整った目鼻顔立ち。少し筋肉質でスラットしたモデルのような体型、たくさんの桜の花びらが空に舞う中、どこか妖艶な彼はとても絵になっていた。
彼は俺の理想だった。
目を奪われ、ぼーっとしていると視線に気がついた彼がこちらをちらっと見てきた。振り返る仕草さえも可憐で…
「…!」
もし俺が知らない人に見つめられたら不謹慎な目で見つめるか、なぜ見ているのか問いかける。
が、…彼は違った。
信じられない、嘘だろ!?とでも言いたげな表情で見つめてきたのだ、そして少しうつむき下唇を強く噛んだかと思うとこちらにふわっと笑いかけ俺の方にスタスタと歩いてきた。
緊張で身体が強ばる。
すれ違いざま鋭い視線を感じた。
睨み付けられた気がして、振り返ってみたがそこには平然とした彼の後ろ姿しかなかった。
「…何なんだ?アイツ…」
気を取り直し、パシャリと桜の写真を撮った。
だが、その時の七海は桜よりも彼の柔らかい笑顔の方が気になっていた。
その笑顔が作り笑いのように見えたことが…
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